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専心の果てに、静けさと涅槃が訪れる


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■引用原文(日本語訳)

「このように常に専心し、意を制御したヨーギンは、涅槃をその極致とする、私に依拠する寂静に達する。」
(『バガヴァッド・ギーター』第6章 第15節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • このように、常に一心に集中して(専心し)、
  • 思考を制御したヨーギンは、
  • 涅槃(ニルヴァーナ)を最終目的とする、
  • 私(神=クリシュナ)に基づく寂静(心の完全な平安)に至る。

■用語解説

  • 常に専心し(サタタム・ユンジャナハ):一時的な集中ではなく、生活全体を通じて継続的に心を一点に保つこと。
  • 意を制御(ニヤタ・マーナサハ):心(意志・感情・思考)を統御し、外的刺激に動揺しない状態。
  • ヨーギン(修行者):ここでは、瞑想や精神修行を継続し、完成を目指す者。
  • 涅槃(ニルヴァーナ):執着・苦しみ・輪廻から解放された状態。永遠の静寂・至福の境地。
  • 私に依拠する(マッチュタム):神(クリシュナ)を帰依の対象とし、その力によって達する精神的完成。
  • 寂静(シャーンティム):究極の静けさ。心の騒ぎがすべて収まり、純粋な安定に至った状態。

■全体の現代語訳(まとめ)

このように、ヨーギンが日々心を集中させて精神を統御するならば、
その人は神(クリシュナ)に基づいた、涅槃を極致とする究極の静けさに達するであろう。


■解釈と現代的意義

この節は、継続的な精神集中と内面統御によって、**永遠の安らぎ(涅槃)**へ至る道が開かれることを説いています。
そしてその境地は、単なる個人的な悟りではなく、「神に依拠することで得られる寂静」である点が特徴です。
これは信仰・帰依・誠実な生き方が、魂の静けさと最高の自由に導くという、深い宗教的かつ哲学的洞察を含んでいます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と適用例
継続の力一時の集中ではなく、「毎日継続して心を整える習慣」が、高い成果と安定した精神状態を生む。
自己制御の完成周囲のノイズや変化に揺さぶられずに、自己の軸を保つ人は、職場に安定と信頼をもたらす。
ビジョンへの帰依「自分を超えた大義や理念」に心を向けて働くとき、人は個人の枠を超えて深い満足に至る。
真の休息物理的な休暇よりも、「心の静けさ」によって得られる休息が、最大のリフレッシュと成長を生む。

■心得まとめ

「心を鎮め続けた者に、究極の平安が訪れる」
一瞬の努力ではなく、日々の専心と心の鍛錬こそが、魂の静けさを開く。
そしてその静けさは、自分自身の力ではなく、信じるもの(理念・神・真理)に依拠することで完成される。
バガヴァッド・ギーターは教える――**「心を制した者が、永遠の平安(涅槃)に至る」**と。

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