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己を制する者、己を友とす


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■引用原文(日本語訳)

「自ら自己を克服した人にとって、自己は自己の友である。しかし自己を制していない人にとって、自己はまさに敵のように敵対する。」
(『バガヴァッド・ギーター』第6章 第6節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • 自分の心を克服した者にとって、自己はまさしく友である。
  • だが、心を制することができない者にとっては、自己は敵のように働き、害をなす存在となる。

■用語解説

  • 自己を克服する(アートマ・ヴィジャイ):欲望・怒り・怠惰・恐れなど、自分の内なる弱さや衝動を乗り越えること。自己管理・内的統御ともいえる。
  • 自己の友(バンデュ):自己が導きとなり、成長と平安をもたらす状態。精神的安定の味方。
  • 自己の敵(シャトル):欲望や執着が暴走し、自分を破滅へと導く心の状態。自己の中の未熟性。
  • 敵対する(ヴァルタテ):対立し、苦しみや迷いを生み出す状態。

■全体の現代語訳(まとめ)

心を統御できている人にとって、自分自身は最も信頼できる味方である。
しかし、自分の内なる欲望や感情に流される人にとっては、自分自身の存在が障害となり、成長を妨げる「敵」となる。


■解釈と現代的意義

この節は、「最大の敵も最大の味方も、すべて自分の中にある」という明確な自己認識の教えです。
外的要因よりも、自分の心をどう扱うかが人生の質を左右する。
自己理解と自己統御があって初めて、人生や仕事において真の自由と力を発揮できるという重要な知恵です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と適用例
リーダーシップ感情や私欲を抑え、冷静に判断することができるリーダーは、組織に安心と信頼をもたらす。
自己統制衝動的な発言や反応はチームに混乱をもたらすが、自制と沈着を保つ人は場を整える力を持つ。
成長と停滞内なる怠惰や過剰なプライドに負けている限り、自己は成長の妨げとなる。だがそれを超えたとき、自己は最大の資源となる。
モチベーション管理外的報酬に依存せず、自分の中に動機を持てる人は、変化に強く自立した働き方ができる。

■心得まとめ

「心を制した者は、何者にも負けない」
自分の中の弱さ、欲望、怒り、迷い。
それらと向き合い、乗り越える者は、やがて最大の味方――静かで力強い心――を得る。
逆に、自分自身に流されてばかりでは、どれだけ能力があっても足を引っ張るのは常に「自分自身」である。
バガヴァッド・ギーターはこう語る――**「勝つべき相手は、まず自分の心」**であると。


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