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心を等しきところに保てば、この世をも超える


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■引用原文(日本語訳)

意が平等の境地に止まった人々は、まさにこの世で生存(輪廻)を征服している。というのは、ブラフマンは欠陥がなく、平等である。それ故、彼らはブラフマンに止まっている。
(第5章 第19節)


■逐語訳

心が平等性(サマットヴァ)に安定した人々は、
すでにこの世において輪廻(生存の循環)を超えている。
なぜなら、ブラフマン(宇宙の根源)は欠陥がなく、常に平等であり、
そうした人々はそのブラフマンと一体となっているからである。


■用語解説

  • 意(マナス):思考・感情・判断を含む心のはたらき。
  • 平等の境地(サマットヴァ):喜怒哀楽の揺れを超えた、中庸・平静の精神状態。
  • 生存の征服(輪廻の克服):生死や運命に振り回される在り方からの解放。精神的自由の獲得。
  • ブラフマン:万物の根源。永遠不変、差別や欠陥のない純粋存在。
  • 止まる(スティタ):精神が落ち着き、一体化している状態。悟りの象徴。

■全体の現代語訳(まとめ)

心を平等の境地に保つことのできる人は、この現世においてすでに輪廻の束縛を超越している。
なぜなら、宇宙の根源たるブラフマンは、いかなる偏りも欠陥もない完全な存在であり、
そのブラフマンと一体になっているからである。


■解釈と現代的意義

この節は、心の平静と内的な平等性こそが「究極の自由」をもたらすと説いています。
社会や人生には上下・勝敗・得失といった二元性がありますが、
それに振り回されない人こそ、真に「この世を征服した人」と言えるのです。

現代社会において、情報や感情の波に飲まれる人が多いなか、
心を平等に保ち、偏らない姿勢は、非常に大きな力となります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーシップ成果主義や数字のプレッシャーに振り回されず、冷静で公平な判断を保つ。
メンタルヘルス感情の浮き沈みに巻き込まれず、安定した精神状態を保つことが燃え尽き防止に。
マネジメント成功や失敗に一喜一憂せず、中庸の姿勢でチームに安心感と継続性を与える。
交渉・判断相手の立場・自分の立場に偏らず、全体最適で考える判断力を育てる。

■心得まとめ

「心の平等は、結果を超える力となる」
何が起ころうと心を揺らさず、すべての出来事を公平に受け止める人は、
現世の浮き沈みに左右されない「静かな強さ」を持つ。
ギーターは語る――「平等なる者は、すでにこの世を超えている」と。
外の世界ではなく、内なる心の安定が、真の自由をもたらす。

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