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行為は奉仕、動機は浄化――それがヨーギンの道


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■引用原文(日本語訳)

身体により、意により、知性により、また単に諸感官のみにより、ヨーギン*たちは行為をなす。自己を清めるため、執着を捨て。
(第5章 第11節)
*ヨーギン:ヨーガの修行者。ここではカルマ・ヨーガ(無執着の行為)の実践者を指す。


■逐語訳

ヨーガの行者(ヨーギン)たちは、身体・意志・知性、または単に感官のみを使って行為を行う。すべては「自己の浄化」のためであり、行為への執着を捨てて実践する。


■用語解説

  • 身体・意・知性:それぞれ行動・思考・判断機能を指す。人間の全存在を通して行為がなされていることを示す。
  • 感官(インドリヤ):五感や行動器官。人が外界と関わる手段。
  • 執着を捨て:行為の結果や報酬に対する欲を断ち、「ただ為す」姿勢を意味する。
  • 自己を清めるため:利己心・欲望・怒りなどの内的汚れを取り除き、本質的な自由に至る目的。

■全体の現代語訳(まとめ)

ヨーガを実践する者たちは、身体や心、知性、あるいは感覚器官を使って様々な行為を行うが、その目的は成果を得ることではなく、自らの内面を清めることにある。そして、すべての行為は執着なしに実践される。


■解釈と現代的意義

この節は、「行為の目的は成果ではなく、自己の浄化である」とするギーターの基本精神を明快に示しています。行為は避けられないものであるが、それを“どのような意図で行うか”が重要です。

現代では「やる意味があるのか」「報酬はあるのか」という成果主義的な視点が強いですが、ギーターは「行為は自己の質を磨くための道」であると教えます。動機が利己から利他、あるいは内的成長へと転換されるとき、行為はまったく違った価値を持ちます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
仕事の意義づけ単なる業務でも「自分を鍛えるため」「心を整えるため」と位置づければ、やりがいが生まれる。
モチベーション管理他者評価や報酬に左右されず、「行為そのものの純度」に焦点を当てることで、安定した働き方が可能になる。
トレーニング・習慣化身体的・知的・感覚的な訓練を、内面の成長と結びつけて継続することで、深い自己変容が起こる。
マインドフルネス日々の作業に集中しつつも執着せず、心を澄ませる働き方が、質の高いアウトプットにつながる。

■心得まとめ

「働くことは、自分を磨くこと」
身体でも、心でも、思考でも、あらゆる行為はただの作業ではない。すべては自己を清め、成熟へと向かうためのプロセスである。報酬ではなく、浄化と成長のために働くとき、ビジネスは人生を高める道となる――これが、ギーターのヨーギンの教えです。

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