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■引用原文(日本語訳)
「また、不動なる信愛のヨーガにより私に奉仕する人は、これらの諸要素を超越して、ブラフマンと〔一体に〕なることができる。」
(第14章 第26節)
■逐語訳
「揺るぎない信愛(バクティ)のヨーガによって、
常に私(神)に奉仕し帰依する者は、
三つの性質(グナ)を超越し、
究極の実在(ブラフマン)と一体になるに至る。」
■用語解説
- 不動なる信愛(avyabhicāriṇī bhakti):一時的ではなく、迷いのない、変わらぬ帰依心。
- 信愛のヨーガ(bhakti-yoga):愛と奉仕によって神(至高意識)に自己を委ね、つながる道。
- 奉仕(sevate):自己目的を捨て、真理・神・社会に仕える心と行為。
- 三つの性質(guṇān):プラクリティから生じる純質・激質・暗質のエネルギー。
- ブラフマンと一体(brahma-bhūyāya kalpate):自己と宇宙の本質が一つであることを悟り、完全な自由に至る。
■全体の現代語訳(まとめ)
クリシュナは、「三つの性質を超越する方法」として、
**「揺るぎない信愛と奉仕」**の道を示しています。
神への変わらぬ帰依を持ち続ける者は、
もはや性質の束縛を受けず、
自己と宇宙の本質=ブラフマンと完全に一体になることができる。
これは、知識や禁欲だけでなく、愛と献身を通じて到達できる解放の道であると説かれます。
■解釈と現代的意義
この節は、人生において何よりも重要なのは
**「愛と献身による一貫した実践」**であることを教えています。
- 世の中の性質(浮き沈み・感情・評価)に振り回されず、
- 自己の利益を越えたところで、
- 変わらぬ心で人・社会・宇宙に仕える
――そうした生き方を続ける者は、ついに「自他の境を超えた一体性=真の自由」に到達できるのです。
これは宗教的な帰依に限らず、人生や使命への真剣な態度にも通じる真理です。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
一貫性のある信念と行動 | 周囲に流されず、自分の信じる価値やミッションに誠実であり続けることで、長期的な信頼と成果を得る。 |
「仕える」精神の力 | リーダーであれ現場であれ、「誰かのために」という心で働く人が最も影響力を持つ。 |
自己超越的なモチベーション | 出世や報酬ではなく、「貢献」や「意義」によって動く人は、性質に左右されず、力強く生き続ける。 |
継続の力と精神的安定 | 感情や成果に依存せず、信念に基づく行動を淡々と続けることで、揺るぎない芯が育つ。 |
■心得まとめ
「迷わぬ信念が、己を超え、世界と一体に導く」
不動の愛と献身は、知識にも勝る強さを持つ。
利益を求めず、損得を超えて、ただ真理に仕える者こそ、
三つの性質を超えて「真の自由」に達するのだ。
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