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信じるものが、その人の真の姿をつくる

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■引用原文(日本語訳)

「アルジュナよ、すべての者の信仰はその心性に対応する。
人間というものは信仰よりなる。ある人がある信仰を抱く場合、彼はその〔信仰に対応する〕者に他ならない。」
――『バガヴァッド・ギーター』第17章 第3節

■逐語訳

クリシュナはアルジュナに語った:
「すべての人の信仰は、その人の“心の性質(バーヴァ)”に対応している。
人は、自らの信仰によって成り立っている。どのような信仰を持つかで、その人自身の本質が決まる。」

■用語解説

  • 心性(バーヴァ):人の内的な傾向・態度・気質。欲望、意志、理解力などを含む。
  • 信仰(シュラッダー):理性や教典を超えて、強く信じる心の傾向。
  • 信仰よりなる(シュラッダー・マヨーヤム):人間の言動や存在は、信じているものに強く影響され、形成されていることを示す。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは「人間とは、自らが信じるものの反映である」と断言している。人が何を信じ、どんな価値を抱いて生きているかによって、その人格や行動の質が定まり、それがその人自身の本質となるという、非常に深い哲学を述べている。

■解釈と現代的意義

この節は、信仰や価値観が単なる「思想」や「考え方」にとどまらず、その人の生き方全体を決定づける要素であることを明示しています。
つまり、「その人が信じていること」こそが、その人の行動を生み出し、周囲に与える印象や影響力、さらには生涯の方向性をも左右するのです。

この教えは、現代の自己啓発やリーダーシップ論にも通じるものであり、「何を信じるか」がその人の器を決める、と言えるでしょう。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーの信条組織を率いる者がどんな信念を抱いているかが、組織文化に直結する。たとえば「短期利益重視」の信条は、組織全体をせわしなくさせる。
企業理念の重要性社員一人ひとりがどんな理念を信じているかによって、その企業の“実態”が決まる。表向きのビジョンより、信じられているものが現実を形づくる。
採用・育成能力よりも「信じているもの」に注目すべき。例えば「顧客第一」への信念を持つ社員は、必ず現場で信頼を得る。
自己認識と成長自分が無意識に何を信じているか(例:努力しても無駄、上司は敵、など)を明確にし、必要に応じて信念を再構築することが、自己成長の第一歩となる。

■心得まとめ

「信じるものが、あなたそのものを形づくる」
何を信じているか。それは「行動の源泉」であり、「人格の種」である。信仰や信念は外面的な行動ではなく、内なる動機と結果を決定づける力だ。
ビジネスにおいても、戦略やスキルより前に、“何を信じてこの仕事をしているのか”が、その人の未来を決めている

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