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信仰の形は、その人の本質を映す鏡である

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■引用原文(日本語訳)

アルジュナはたずねた。
「信仰をそなえている人々が教典の教令を無視して供養する(祭祀を行う)場合、彼らの依所はいかなるものか。純質か、激質か、暗質か。クリシュナよ。」
――『バガヴァッド・ギーター』第17章 第1節

■逐語訳

アルジュナは尋ねた:
「信仰を持っている人が、聖典に従わずに祭祀や供物を行うならば、その信仰のよりどころ(グナ=性質)は、純質(サットヴァ)・激質(ラジャス)・暗質(タマス)のどれなのでしょうか?」


■用語解説

  • 信仰(シュラッダー):理性や教典を超えて、心から信じて捧げる心の姿勢。
  • 教典の教令:聖典(ヴェーダなど)に記された儀式・行為の正しい方法や倫理。
  • 供養(祭祀):神や先祖への供物・儀式を通じた捧げもの。
  • 純質(サットヴァ):清浄・知性・調和の性質。
  • 激質(ラジャス):情熱・欲望・行動性の性質。
  • 暗質(タマス):無知・怠惰・混乱の性質。
  • 依所(アーシュラヤ):拠り所・土台となる内的傾向。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは、信仰心を持ちながらも聖典に基づかない供養や儀式を行う人々がいることに疑問を抱き、その行動の背景にはどのような心の質(グナ)が関わっているのかを問うている。クリシュナに「信仰の内的性質」の真理を尋ねているのである。

■解釈と現代的意義

信仰の「形式」ではなく、「本質」が問われるという視点は、現代にも非常に重要です。外面的にどれほど熱心に祈っていても、そこに利己的な欲望(激質)や惰性的な依存(暗質)があれば、信仰は堕落します。
逆に、静かな献身や思慮深い善行があれば、たとえそれが形式を欠いていても、純質の信仰と言えるのです。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
行動の動機を問う形式的なKPI達成やアピール目的の行動よりも、本質的な使命感に基づいた働きの方が持続性と信頼性を持つ。
信念と実践の一致マニュアルに頼るばかりでなく、内発的な価値観から判断し行動する社員は、組織の芯となる。
自己理解と内省自分の「信じていること」がどのような質に基づいているかを見極めることが、健全な意思決定につながる。

■心得まとめ

「信じる力は、その人の魂の質によって形を変える」
信仰の有無ではなく、その信仰の質こそが人を導く力となる。

ビジネスでも同じで、表面的な行為よりも、その背後にある「心の性質」が、結果と信頼を決定づける。正しい知識と純粋な動機を持つことが、真のリーダーシップと信頼を築く礎である。

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