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欲望のままに生きる者に、成就も幸福もない

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■引用原文(日本語訳)

教典の教令を無視し、欲望のままに生活する者は、成就に達しない。幸福にも、最高の帰趨にも達しない。
(『バガヴァッド・ギーター』第16章 第23節)

■逐語訳(一文ずつ)

  • 教典(シャーストラ)の規範を無視し、
  • 欲望(カーマ)のままに行動する者は、
  • **完成(シッディ)**にも、
  • **幸福(スカ)**にも、
  • 最高の帰趨(パラーム・ガティム)=解脱にも達することができない。

■用語解説

  • 教典(シャーストラ):人生や行為の正しさを導くための知恵と指針。ここではヴェーダやヨーガの倫理的・霊的原則を意味する。
  • 教令(ヴィディ):してはならないこと・すべきことなどの規範的教え。
  • 欲望のまま(カーマカルタハ):一時的な快楽・感情・衝動によって行動する状態。
  • 成就(シッディ):目的の達成、実りある成果。内的・外的な成熟を含む。
  • 幸福(スカ):一時的な快楽ではなく、心の平安と安定。
  • 最高の帰趨(パラーム・ガティム):霊的完成、悟り、魂の解放(モークシャ)。

■全体の現代語訳(まとめ)

人生の正しい道を示す教え(シャーストラ)を無視し、欲望のままに動く者は、どれほど努力しても本当の意味での成果を得ることはできない。真の幸福にも、魂の目的地(解脱)にも到達できない、とクリシュナは断言する。

■解釈と現代的意義

この節は、指針なき欲望中心の生き方がもたらす限界を説いている。
知識や教えに学ばず、自分の感情や欲求だけで行動していると、確かに一時的な成果はあるかもしれない。しかしそれは根なし草のようなもので、持続せず、深い満足にも至らない。ギーターは、「自由に見える生き方が、実は最も大きな束縛を生む」ことを教えている。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点教訓と活用例
規範軽視の危険性倫理・ガイドラインを無視して目先の利益を追う企業は、長期的信用や成果を失う。
独善的経営の失敗教訓や歴史を学ばず、自分のやり方だけを押し通すと、成長は止まり、失敗が繰り返される。
個人の意思決定「欲しいからやる」「気分で動く」では、一貫した成果や人間的信頼は得られない。
本質的な幸福教え・原理・哲学に学ばずに得た快楽や富は、心の深い充足にはつながらない。

■心得まとめ

「自由に見える欲望の道は、実は最も遠回りである」

欲望のままに生きることは自由ではない。
ギーターは語る――教えを学ばず、規範を無視して進む者に、真の成功も、幸福も、解脱も訪れない。
だからこそ、「自由に動く前に、正しく学び、正しく生きよ」という姿勢が、人生の土台となる。

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