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変わらぬ主が、すべてを支えている

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引用原文(日本語訳)

しかし、それと別の至高のプルシャがあり、
最高のアートマンと呼ばれる。
それは不変の主であり、三界に入ってそれを支持する。
(『バガヴァッド・ギーター』第15章 第17節)

逐語訳

可滅なるもの(被造物)と不滅なるもの(真我)とは別に、
さらにもう一つ、至高のプルシャ(存在者)が存在する。
それは
最も高貴なアートマン(自己)と呼ばれ、
決して変化せず、三界(天界・地上・地下世界)に遍在して、
それらすべてを内側から支えている。


用語解説

用語意味
至高のプルシャ(プルショーッタマ)神そのもの。可滅(現象)・不滅(魂)を超越する絶対者。
最高のアートマン普遍意識。万物の内に宿る根源的な自己であり、究極の実在。
不変の主変化も消滅もない存在。全存在を超越しつつ内在する統治者。
三界(トリローカ)地上界(ブール・ローカ)、中界(ブヴァル・ローカ)、天界(スヴァル・ローカ)という宇宙の三層。

全体現代語訳(まとめ)

可滅なる被造物や、不滅なる魂のさらに彼方に、
**至高の存在(プルショーッタマ)**がある。
それは最高の自己であり、変わることのない真の主である。
この存在は、三界のすべてに入り込み、
その背後で世界を支えている根源の力である。

解釈と現代的意義

この節は、前節の「二種のプルシャ(可滅・不滅)」をさらに超える、
**「第三の存在=至高者(プルショーッタマ)」**の存在を明らかにしています。

可滅なる現象に振り回されず、
不滅なる魂の認識に留まらず、
そのさらに奥にある「すべてを支える絶対的実在」に目覚めることが、
真の知識・自由・奉仕の出発点になるという教えです。

ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
表層・本質・根源の三層構造問題や成果の「表層」、その背景にある「構造的本質」、そしてそれらを超えて支える「根源的価値観」を見極める思考が、長期的戦略を可能にする。
絶対軸への帰依情勢や環境が変わっても、「何のために働くのか」という絶対的な軸がある人・組織は崩れにくい。
経営における“支える者”の意識社長・リーダーは“動かす”人である前に、“支える”存在であると意識することで、組織全体が安定しやすくなる。
俯瞰する智慧各層の関係性(現象―本質―根源)を一望できる視座を持つことで、判断の次元が一段深くなる。

心得まとめ

「見るべきは現象でも魂でもなく、それらを支える“至高の本質”である」

目に見えるものは変わり、
心のありようも揺らぐ。
だが、そのどちらも静かに支えるものがある。
それに気づく者だけが、
本当の安定と力を内に持つことができる。


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