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内なる火がすべてを動かす

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引用原文(日本語訳)

私は一切人火となって、生類の身体に宿り、
プラーナ気とアパーナ気に結びつき、
四種の食物を消化する。
(『バガヴァッド・ギーター』第15章 第14節)

逐語訳

私は、すべての生き物の中に宿る「消化の火(ヴァイシャヴァナラ)」となり、
生命体の身体の中に入り、
プラーナ(吸入)とアパーナ(排出)の生命エネルギーと協働して、
四種の食物を消化している。

用語解説

用語意味
一切人火(ヴァイシャヴァナラ)消化を司る内なる火。神が生理機能の根源として宿る形。
生類の身体に宿る神は超越的であると同時に、すべての生命の内側にも存在する。
プラーナ気吸気。生命エネルギーの一部で、取り入れる力(呼吸・食物・印象など)を指す。
アパーナ気排気。出す力。排泄・発汗・分娩などの排出に関わるエネルギー。
四種の食物①噛む食物 ②吸う食物(液状)③舐める食物 ④飲み込む食物。あらゆる形態の食物全般を意味する。

全体現代語訳(まとめ)

私は、すべての生き物の体の中で「消化の火」となり、
プラーナ(入る力)とアパーナ(出る力)という生命エネルギーの流れとともに、
あらゆる食物を消化・吸収している。
つまり、肉体の活動の最も根本的な営みの中にも、私は存在している。

解釈と現代的意義

この節は、神は高次な霊的存在にとどまらず、日常的かつ生理的な営みの中にも宿っているという深い霊的視点を示しています。

呼吸・消化・排泄というごく当たり前の生命活動すら、
実は神聖なエネルギーによって支えられている――
この気づきは、自他の生命を軽んじることのない、深い敬意と感謝を育みます。

また、「取り入れる力」と「手放す力」のバランスが整ってこそ、私たちは健全に生きられる――
これは心理的・ビジネス的にも応用可能な洞察です。

ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
日常業務への神聖な意識普段の業務や体調管理など、当たり前と思えることにも尊さを感じ、大切に取り組む姿勢が人を整える。
インプットとアウトプットの調和情報や知識(プラーナ)を吸収し、不要なものや成果(アパーナ)を適切に出すバランスが成功の鍵。
オペレーションの本質理解企業活動も「入れる力・出す力(資源・成果)」という消化循環の中にあり、その仕組みが整ってこそ持続可能になる。
自分自身の燃焼力を理解する情報・食物・経験など、あらゆるものを「消化する力」が自己の成長や健康を左右する。これは体力だけでなく、心力・知力にも通じる。

心得まとめ

「動かすのは、外ではなく、内なる火である」

私たちは外から得る力に頼りがちだが、
本当の活動は、内側に宿る見えない力によって支えられている。
その「火」を整え、信頼し、敬意を払うとき――
仕事も人間関係も、自分自身の人生さえも、
調和と力に満ちたものとなる。

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