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光に頼らぬ、本質の地へと至れ

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引用原文(日本語訳)

太陽はそれを照らさない。月も火も照らさない。
そこへ行けば、回帰することはない。
それは、私の最高の住処である。
(『バガヴァッド・ギーター』第15章 第6節)

逐語訳

太陽の光も、その境地を照らすことはできない。
月の光も、火の光すらも、それを照らすことはない。
その境地に到達すれば、二度とこの世界に戻ることはない。
それは、私(神)の最高の住まい(存在の本拠地)である。

用語解説

用語意味
太陽・月・火感覚によって認識される光。物質的世界の象徴。
照らさない五感や外界の光によっては捉えることができない、超越的存在。
回帰しない輪廻転生のサイクル(生死の繰り返し)に戻ることがない。
最高の住処(パラム・ダーマ)神の本質的な住まい。不変の真理・絶対的存在の場。悟りの完成地点。

全体現代語訳(まとめ)

太陽や月、火のようなあらゆる物質的な光でも照らすことができない世界がある。
それは五感を超えた次元の境地であり、そこに達した者は再びこの世に生まれ変わることはない。
その場所こそが、神の本質的な「最高の住まい」であり、魂の究極の帰還地点である。

解釈と現代的意義

この節は、「五感によって認識されるもの」に依存しすぎる私たちに、
目に見える光ではなく、内なる真の光(智慧・悟り)を求めよという指針を与えています。

現代社会は、目に見える評価・数字・成果に依存しがちですが、
本当に価値あるものは、そのような外的な光では照らされない深い領域にある。
それは静寂の中、自己と向き合いながら到達する“心の真実”です。

ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
見えるものに頼らない戦略眼成果や数値といった「表面的な光」だけに頼らず、目に見えない価値(理念、文化、信頼)を重視する経営判断が重要。
本質的価値への集中ブランドやプロダクトも、装飾や話題性ではなく「本質の品質」「顧客の信頼」という見えにくい領域にこそ持続力が宿る。
数値化できないリーダーシップ感情知性・共感・誠実さといった「照らせない力」を育むことが、真の信頼を築く鍵。
目的の再定義「どこを目指すか」を、売上や地位ではなく、「誰のために、どんな価値を残すか」と定義し直すことが、本当の成果を導く。

心得まとめ

「照らされることなく、輝いている場所を目指せ」

太陽も、月も、火も届かぬ――それは目に見える評価では計れない領域。
目指すべきは、人に見せるための光ではなく、心の深奥に宿る真理と一体となる場所である。

その「最高の住処」こそが、すべての迷いと苦しみから解き放たれた真に自由なビジネスと人生の完成地である。

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