目次
◆第4章 第9節による心得
●原文引用
「私の神的な出生と行為を、このように如実に知る者は、身体を捨てた後、再生することなく、私のもとに来る。」(第4章 第9節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「私の神的な出生と行為を」
→ 私(クリシュナ/神)がこの世に現れること(神の降誕)と、なす神的行為(正義の確立・悪の討伐)を。 - 「このように如実に知る者は」
→ それらの真の意義を理解し、心から把握する者は。 - 「身体を捨てた後」
→ この世の命を終えた後に。 - 「再生することなく」
→ 輪廻転生のサイクルに戻ることなく。 - 「私のもとに来る」
→ 神のもと(永遠の解脱・涅槃・神聖な境地)に至る。
●用語解説
- 神的な出生(divya janma):神が人間の形をとって世に現れること。アヴァターラ(神の化身)を意味する。
- 行為(karma):ここでは、正義を守るための神の行い全般を指す。
- 再生(punarjanma):インド思想における輪廻転生。業(カルマ)により繰り返される生死のサイクル。
- 如実に知る(tattvataḥ):真理として理解する、表面的ではなく本質的に悟ること。
●全体の現代語訳(まとめ)
私(神)がこの世に現れる意味と、行うことの真理を理解する人は、死後、もはや生まれ変わることはなく、私のもと(神の永遠なる境地)に至る。
●解釈と現代的意義
この節は、「信仰による理解」が魂の解脱へとつながるという重要な教えです。
神の化身の意義を単なる神話としてでなく、正義・慈悲・犠牲の行為の象徴として本質的に捉えることが、人を輪廻から解き放ち、究極の自由へと導くのです。
ここでの「知る」は、情報として知るのではなく、体験と理解によって深く悟ることを意味します。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
ビジョンの共有 | 組織の「目的」や「価値観(=神的な出生と行為)」を深く理解した社員は、表層の目標に縛られず、本質に生きる。 |
永続的リーダーシップ | リーダーの理念や行動の背景を知る人は、短期的成果を超えた使命に従い、再生(リセット)なき成長を遂げる。 |
信念の浸透 | 「理念を深く理解し受け入れる」ことで、人は迷わず自発的に動く真の社員となる。 |
コメント