目次
◆第4章 第6節による心得
●原文引用
「私は不生であり、その本性は不変、万物の主であるが、自己のプラクリティ(根本原質)に依存して、自己の幻力により出現する。」(第4章 第6節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「私は不生であり」
→ 私は生まれることがない存在である(永遠に存在する)。 - 「その本性は不変」
→ 私の本質は決して変わらない。 - 「万物の主であるが」
→ 私はすべての存在の支配者であるが、 - 「自己のプラクリティに依存して」
→ 自らの内なる自然(根本原質)を媒介として、 - 「自己の幻力により出現する」
→ 自分自身のマーヤー(幻力)によって姿を現す。
●用語解説
- 不生(aja):生まれることがなく、死ぬこともない永遠の存在。アートマンや神の性質を指す。
- 不変(avyaya):変化せず、劣化せず、永遠に同一であること。
- プラクリティ(prakṛti):宇宙を構成する根本の自然エネルギー。物質と心の源。
- 幻力(māyā):神が世界を創造・展開する際の力。現象世界を見せる力でもあり、迷いの原因にもなる。
●全体の現代語訳(まとめ)
私は生まれることのない永遠の存在であり、その本性は決して変わらない。私は万物の主であるが、自らの根本的な自然に依存して、自らの幻力によってこの世に現れる。
●解釈と現代的意義
この節では、神の降臨は人間のような誕生ではなく、意志による出現であることが説かれています。
クリシュナは、物質的な存在としてではなく、超越的な力によってこの世に姿を現す存在です。
この教えは、「真に崇高な存在(リーダー、理念、精神)」は、状況に応じて形を変えて現れ、人々を導くという普遍的な洞察を与えてくれます。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
不変の本質 | 真のリーダーシップとは、変わらない核(信念)を持ちながら、柔軟に現れること。 |
マーヤーの活用 | 情勢や市場に応じて、本質を失わずに形を変えて出現する戦略が必要。 |
自己のプラクリティ | 自分自身の強み(本質的資源)を理解し、それに基づいて行動すべき。 |
コメント