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【2-72】 ブラフマンの境地と最終解脱

目次

◆第2章 第72節による心得

●原文引用

「アルジュナよ、これがブラフマン(梵)の境地である。それに達すれば迷うことはない。臨終(りんじゅう)の時においても、この境地にあれば、ブラフマンにおける涅槃(ねはん)に達する。」(第2章 第72節)


●逐語訳

  • アルジュナよ:親愛なる弟子アルジュナへの呼びかけ。
  • これがブラフマンの境地である:いままで語ってきた心の静寂と智慧の確立の状態こそが、宇宙的実在(ブラフマン)の在り方である。
  • それに達すれば迷うことはない:この境地に達した者は、人生における混乱・苦悩に惑わされない。
  • 臨終の時においても、この境地にあれば:死の瞬間にあっても、この意識状態にとどまっていれば、
  • ブラフマンにおける涅槃に達する:究極の解脱、永遠の平安に至る。

●用語解説

  • ブラフマン:宇宙の根源的存在、真理そのもの。個を超えた普遍意識。
  • 境地(スタティ):到達された精神状態・悟りの状態。
  • 迷い(モーハ):無知・錯覚・心の混乱。
  • 涅槃(ニルヴァーナ):完全な解脱、苦しみの終わり、最高の安らぎ。

●全体現代語訳

アルジュナよ、これこそがブラフマン、すなわち宇宙の真理の境地である。この境地に達した者は、どんな状況にあっても心を見失うことがない。そして死の間際においても、この境地にあるならば、永遠なる平安(ブラフマンの涅槃)に至る。


●解釈と現代的意義

この節は第2章の結びであり、智慧・平安・執着からの解放という状態がいかに究極的であるかを説いています。
それは単なる精神論ではなく、「迷いのない判断力と、死の瞬間までブレない軸」を持つことの重要性を伝えています。
これは現代のビジネスにおいても、「人生を貫く信念と静かな内面」を築くことの価値と一致します。


●ビジネスへの応用

ビジネス状況応用ポイント
人生の意思決定環境や他者の評価に振り回されず、自分の価値観から決断できる状態。
キャリアの集大成積み上げた経験や理念に基づき、最期までブレない生き方を貫く。
経営理念の体現混乱の中でも揺るがない「静かな中心軸」を持ち、組織に伝える。

●ビジネス心得タイトル

「最後の瞬間まで、揺るがぬ者が道を示す」


この節で第2章「サーンキヤ・ヨーガ(智慧の章)」は締めくくられます。
智慧を持って欲望・執着から自由になり、自己を律し、最期までその境地にとどまれる者が、真に解放された生を得る――
まさに「生き方の指針」としての普遍的なメッセージです。

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