小さな真実に固執することの危険性
孟子は言った。
「君子は一つの小さな真実にこだわりすぎることはありません。一つのことに固執してしまうと、場合によってはおかしな結果になってしまうこともあります。」
ここでの「小さな真実(亮)」は、些細なことに過ぎない細かい理屈や事実を指しています。
孟子は、君子はそのような細かいことに執着せず、広い視野で柔軟に物事を判断するべきだと教えています。
一つの小さな事柄に執着しすぎることで、全体のバランスを失ったり、大事なことを見失ったりすることになる可能性があるため、君子は常に広い視野を持ち、融通の利く考え方をするべきだと孟子は強調しているのです。
原文と読み下し
孟子曰、君子不亮、惡乎執。
孟子(もうし)は曰(いわ)く、「君子は亮(りょう)ならず、執ることを悪めばなり。」
※注:
- 亮(りょう):ここでは「小さな真実」や「細かな真実」を指す。一般的には「誠実」「正直」とも解釈されるが、孟子はその小さな真実に固執しないように言っています。
- 執ることを悪めばなり:一つの事柄に固執することは、柔軟性を欠くことだと教えています。
パーマリンク案(英語スラッグ)
don't-cling-to-small-truths
(小さな真実にこだわりすぎない)flexibility-in-judgment
(判断における柔軟性)avoid-obsession-with-minor-details
(些細な詳細に執着しない)
この章では、君子が小さな事柄にこだわりすぎないことの重要性を強調しています。全体のバランスを取るためには、柔軟な考え方と広い視野が必要だと教えているのです。
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