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恩義を忘れた者は、自らの滅びを招く

善を積む者には福が、悪をなす者には災いが訪れる。
それは光が形に影を生じさせ、音が音色を返すように、必然の理である。

突厥の啓民可汗が隋に助けを求めたとき、隋の文帝は国を挙げて彼を助け、地位を保たせた。
だが、後継者たちはその恩を忘れ、報いるどころか、かえって中国に侵攻し、ついには恩人を殺すという裏切りを行った。
そしてその果てに、頡利可汗は国を滅ぼされた。

恩に報いる心を持たぬ者は、どれだけ勢いを得ようとも、やがて破滅する。
義を忘れた繁栄は続かず、その報いは自らに返ってくるのだ。


■引用(ふりがな付き)

「天(てん)は善(ぜん)に福(ふく)し、淫(いん)に禍(わざわい)す。事(こと)は影響(えいきょう)のごとし。…今(いま)、頡利(けつり)破(やぶ)る。豈(あに)恩(おん)に背(そむ)き義(ぎ)を棄(す)てしに至(いた)らざるか」


■注釈

  • 天福善禍淫(てんはぜんにふくし、いんにわざわいす):天は善を助け、淫(=道義を失った行い)には災いをもたらすという因果応報の原則。
  • 影響(えいきょう):光に影が、音に響きが生じるように、行いには必ず応報があることのたとえ。
  • 背恩棄義(はいおんきぎ):恩を忘れ、道義に背くこと。
  • 頡利破る:突厥の首長・頡利可汗が滅んだこと。道義を忘れた結果とされる。

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