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真理の道は広く晴れやか、欲望の道は狭く苦しみに満ちている

「天理(てんり)」——すなわち真理にかなった道は、非常に広く、明るく開けた世界である。
ほんの少し心をそこに向けてみるだけでも、内側からのびのびとし、
胸が広々として、晴れやかな気持ちに満たされる。

それに対して、「人欲(じんよく)」——欲望に支配された道は、非常に狭く、険しい。
一歩でも足を踏み入れれば、そこはたちまち茨(いばら)と泥濘(ぬかるみ)の世界。
動けば動くほど傷つき、もがくほどに深く沈み、心も行動も自由を失っていく。

どちらの道を選ぶかは、常に私たち自身の心にある。
広く晴れた空のような精神を得たいなら、真理に従い、欲望を離れることが第一歩となる。


原文とふりがな付き引用

天理(てんり)の路上(ろじょう)は甚(はなは)だ寛(ひろ)く、稍(やや)心(こころ)を遊(あそ)ばしめば、胸中(きょうちゅう)便(すなわ)ち広大(こうだい)宏朗(こうろう)なるを覚(おぼ)ゆ。
人欲(じんよく)の路上(ろじょう)は甚(はなは)だ窄(せま)く、纔(わず)かに迹(あと)を寄(よ)すれば、眼前(がんぜん)俱(ことごと)に是(こ)れ荊棘(けいきょく)泥塗(でいと)なり。


注釈(簡潔に)

  • 天理(てんり)の路上:道理にかなった正しい生き方、心の本性に従う道。
  • 稍心を遊ばしめば:少しでも心をその方向に向ければ、という柔らかな表現。
  • 広大宏朗(こうだいこうろう):心が大きく、明るく、伸びやかになるさま。
  • 人欲(じんよく)の路上:私利私欲に従った道。自己中心的な衝動の進む先。
  • 荊棘(けいきょく)・泥塗(でいと):いばらやぬかるみ。進むたびに傷つき、足を取られる困難の比喩。

パーマリンク案(英語スラッグ)

truth-is-wide-desire-is-trap
「真理は広く、欲望は罠」という対比を簡潔に表したスラッグです。

その他の案:

  • path-of-truth-is-clear
  • desire-leads-to-struggle
  • choose-light-over-mire

この章は、人が心の方向をどこに向けるべきかという根本的な選択を、
自然界のたとえを通じて、非常にわかりやすく説いています。
現代の情報や誘惑に満ちた社会においても、非常に示唆に富む教えです。

1. 原文

天理路上甚寬、稍放心、胸中便覺廣大宏朗。人欲路上甚窄、纔寄迹、眼前俱是荊棘泥塗。


2. 書き下し文

天理(てんり)の路上は甚(はなは)だ寛(ひろ)く、稍(やや)心を遊ばしめば、胸中(きょうちゅう)便(すなわ)ち広大宏朗(こうろう)なるを覚(おぼ)ゆ。
人欲(じんよく)の路上は甚だ窄(せま)く、纔(わず)かに迹(あと)を寄(よ)すれば、眼前(がんぜん)俱(ことごと)く是(こ)れ荊棘(けいきょく)泥塗(でいと)なり。


3. 現代語訳(逐語/一文ずつ訳す)

  • 天理路上甚寬、稍放心、胸中便覺廣大宏朗。
     → 天の理(=道徳・正しさ)の道はとても広く、ほんの少し心をその道に委ねるだけで、胸の内がすぐに広々として、明るく爽やかになるのを感じる。
  • 人欲路上甚窄、纔寄迹、眼前俱是荊棘泥塗。
     → 一方、人の欲望に従う道はとても狭く、わずかに足を踏み入れただけで、目の前はすぐに棘(いばら)とぬかるみに覆われてしまう。

4. 用語解説

  • 天理(てんり):天が定めた正しい道。道徳・自然の理・真理。
  • 路上(ろじょう):生き方・行動の道筋。比喩としての人生の「進路」。
  • 稍放心(ややこころをゆるす):少しだけ心を向ける、自然体で向き合う。
  • 広大宏朗(こうだいこうろう):広く明るく、清らかでのびのびとした心境。
  • 人欲(じんよく):私欲・自己中心的な欲望。利己心、物質欲。
  • 迹を寄す(あとをよす):足を踏み入れる、関わる。
  • 荊棘(けいきょく):いばら、障害や困難。
  • 泥塗(でいと):ぬかるみ、苦難、道を塞ぐ障害の象徴。

5. 全体の現代語訳(まとめ)

人として正しい道(天理)を歩もうとすると、その道は広く明るく、少しでも心を委ねれば、すぐに胸がすっきりし、心が大きくなるのを感じられる。
逆に、私欲に走ると、その道は非常に狭く、ほんの少し踏み入れただけで、目の前は困難や煩悩に満ち、苦しみに陥ってしまう。


6. 解釈と現代的意義

この章句は、**「心の選択と進む道によって、世界の見え方も結果もまるで異なる」**ことを教えています。

  • 正しいこと・道徳に基づく生き方は、心を広く、人生を明るくする。
  • 欲望に支配された生き方は、視野を狭くし、結果として身を苦しめる。

つまり、「どの道を選ぶかは心次第。その選択が、人生の質そのものを決定する」という深い洞察を含んでいます。


7. ビジネスにおける解釈と適用(個別解説付き)

▪ 正しい原理原則(天理)に基づく経営が、持続的な安心と成長をもたらす

短期的な欲望(売上・利得)に偏れば、早晩問題に直面する。
信義・誠実・公正といった“天理的経営”は、長期にわたってチームを広く支える。

▪ 一瞬の利己的判断が“荊棘泥塗”を生む

リスク無視の投資、不正確な報告、過剰な成果主義──これらは、欲望から生まれた行動の典型。
結果としてトラブルが続発し、道が狭まり、抜け出せなくなる。

▪ 「少しでも心を正せば、すぐに広さを感じられる」

人の内面にある善性を信じ、たとえわずかでも“良心の声”に従えば、状況はたちまち変わる。
**「すぐに行動を変えるのは難しいが、心の向きを変えるのは今すぐにできる」**という示唆でもある。


8. ビジネス用の心得タイトル

「正道に心を寄せれば、道は広くなる──欲の道は狭く、棘と泥に満ちる」


この章句は、ビジネスだけでなく私生活においても、「心の向け方が世界の在り方を変える」という、人生における根本的な知恵を教えてくれます。
現代の忙しく複雑な社会の中でも、このようなシンプルで力強い指針が、心の支えになるでしょう。

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