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最大の敵は他人ではなく、自分の心である

私たちの心には、常に魔のように誘惑し、乱そうとする存在がある。
その魔を打ち倒したいなら、まずは外の何者でもなく、
自分自身の心を制することが肝要である。
心が服する――すなわち自己の内面が静まり、納得し、落ち着いたとき、
外からのあらゆる悪意や誘惑は力を失い、自分の前に従うようになる。

また、他者からの横暴や攻撃から自分を守りたいなら、
まずは自分の「気」、すなわち怒りや焦りの感情を鎮め、
平静でいられるように努めるべきである。
気が整っていれば、どんな横暴も、自分を傷つけることはできない。
人を制するより、自分を制する者が、最も強いのだ。


「魔(ま)を降(くだ)す者(もの)は、先(ま)ず自心(じしん)を降(くだ)せ。
心(こころ)伏(ふく)すれば則(すなわ)ち群魔(ぐんま)は退(しりぞ)きて聴(したが)う。
横(おう)を馭(ぎょ)する者は、先ず此(こ)の気(き)を馭せ。
気(き)平(たい)らかなれば、則ち外横(がいおう)は侵(おか)さず。」


注釈:

  • 自心を降せ(じしんをくだせ)…自分自身の心に打ち勝つ。煩悩や迷いを克服すること。
  • 群魔(ぐんま)…欲望、怒り、嫉妬などの心の乱れや、それに類する外的な悪影響。
  • 横(おう)…横暴、不当な干渉や攻撃。
  • 気を馭せ(きをぎょせ)…自分の感情や気力をコントロールする。
  • 外横(がいおう)…他人や外部からの横暴な力や圧力。
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