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義理と純真を忘れた人に、人は惹かれない

友とつきあうなら、せめて三分の侠気――
弱きを助け、正義を貫こうとする心を持っていてほしい。
また、人として魅力ある存在であり続けるには、
どんなに世間に揉まれても、せめて一点の「素心」――純粋な心を
失わずに保っていたい。
人は力や知識ではなく、義侠心と真心にこそ惹かれるのである。


「友(とも)に交(まじ)わるには、須(すべか)らく三分(さんぶん)の俠気(きょうき)を帯(お)ぶべし。
人(ひと)と作(つく)るには、一点(いってん)の素心(そしん)を存(そん)するを要(よう)す。」


注釈:

  • 俠気(きょうき)…義侠心。困っている人を助け、不正に立ち向かう精神。友情に厚く、裏切らない気風。
  • 三分の俠気…完璧でなくてよいが、少なくともそれくらいの義侠心を持っていてほしいという表現。
  • 素心(そしん)…素朴で偽りのない心。世俗に染まらず、純粋で誠実な本心。
  • 一点の素心…わずかでも失ってはならない誠実な心の核。人間の魅力の源泉ともいえる。

1. 原文:

交友、須帶三分俠氣。
作人、要存一點素心。


2. 書き下し文:

友に交わるには、須(すべか)らく三分の俠気(きょうき)を帯ぶべし。
人と作(な)るには、一点の素心(そしん)を存するを要す。


3. 現代語訳(逐語/一文ずつ):

  • 「友に交わるには、須らく三分の俠気を帯ぶべし」
     → 友人と付き合うときには、義理や情に厚い「俠気(おとこぎ)」を少しは備えているべきである。
  • 「人と作るには、一点の素心を存するを要す」
     → 人として生きるには、飾り気のない素直な心をどこかに持っている必要がある。

4. 用語解説:

  • 交友(こうゆう):友人関係を結ぶこと、交際。
  • 俠気(きょうき):義理堅く、情に厚く、困っている人を助ける心。武士や侠客のような正義感と男気。
  • 作人(さくじん):人間としての在り方、人としてどう生きるか。
  • 素心(そしん):飾り気のない純粋でまっすぐな心。偽らない自然体の気持ち。

5. 全体の現代語訳(まとめ):

友人関係においては、義理や情を忘れず、助け合う心意気を少しは持つべきであり、
また人として生きていく上では、虚飾のない素直な気持ちをどこかに保ち続けることが大切である。


6. 解釈と現代的意義:

この章句は、人との関係性における“義”と“誠”のバランスを説いています。

・交友においては、計算や損得だけで動くのではなく、情や義を重んじる温かさを持つべきだ。
・また、社会の中で立場や装いが求められるとしても、自分の中には本音・本心=素心を失わずにいなければならない。

現代は合理性・効率性が重視される一方で、情や人間味が薄れがちです。
その中で、少しの侠気と素心を持つ人こそ、深い信頼関係と尊敬を集める存在となるのです。


7. ビジネスにおける解釈と適用(個別解説付き):

  • 「義理と人情を忘れずに付き合う」
     交渉や仕事の場面でも、合理性だけではなく「この人のためなら」と思える関係性が、信頼と協業を生む。
  • 「“侠気”は、ピンチのときに試される」
     相手が困っているとき、手を差し伸べる。面倒な仕事でも助け合う。そうした姿勢が、強いチームとネットワークを作る。
  • 「素心=誠実さを失わない」
     肩書き・役職・演出に埋もれず、原点となる「なぜそれをするのか」「何を信じているか」の純粋な思いを保ち続けることが、長期的な信頼に直結する。

8. ビジネス用の心得タイトル:

「義を忘れず、心を偽らず──侠気と素心が人間関係を育てる」


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