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自分で必ず確かめる

—— 評判に流されず、真実を見極めよ

孔子は、世間の評判に左右されず、自らの目で物事の本質を見極める大切さを説いた。

多くの人がある人を悪く言っていても、自分で調べて確かめなければならない。
多くの人がある人をほめていても、それもやはり自分で確かめる必要がある
」と。

人の評価には、偏見・誤解・思い込み・噂が交じる。
だからこそ、真実を知るためには“自分の眼”で観察し、判断する姿勢が不可欠なのだ。

世間の声がどれほど大きくても、
「本当のことは何か?」という問いを放棄しない態度こそ、知者や君子の根本的な資質である。


原文とふりがな

「子(し)曰(い)わく、衆(しゅう)、之(これ)を悪(にく)むは、必(かなら)ずこれを察(さっ)し、
衆、之を好(この)むも、必ずこれを察す」


注釈

  • 「衆(しゅう)」:世間の人々、多くの人のこと。
  • 「悪む」:嫌う、悪く言う、非難する。
  • 「好む」:称賛する、よいと評価する。
  • 「察す」:よく観察して、実際の真偽・価値を自らの目で判断すること。
  • 孔子は、世論に安易に迎合せず、主体的な判断を持つことの大切さを強く説いた。

パーマリンク候補(英語スラッグ)

  • verify-dont-assume(思い込まず確かめよ)
  • truth-over-opinion(世評より真実を)
  • judge-with-your-eyes(自分の目で見極めよ)

この章句は、情報があふれる現代において特に重要な教訓です。
SNS・ニュース・口コミに流されず、自分で調べ、観察し、考える力が信頼と知恵を生むのです。

1. 原文

子曰、衆惡之必察焉、衆好之必察焉。


2. 書き下し文

子(し)曰(いわ)く、衆(しゅう)、之(これ)を悪(にく)むは、必(かなら)ずこれを察(さっ)し、
衆、之を好(この)むも、必ずこれを察す。


3. 現代語訳(逐語/一文ずつ)

  • 「子曰く、衆、之を悪むは、必ずこれを察し」
     → 孔子は言った:「多くの人が誰かを嫌うときは、その理由をよく調べなければならない」。
  • 「衆、之を好むも、必ずこれを察す」
     → 「また、多くの人が誰かを好んでいるときも、その理由をしっかり見極める必要がある」。

4. 用語解説

  • 衆(しゅう):大衆、世間、複数の人々。ここでは「世の中の一般的な評価」。
  • 惡(にくむ):嫌う、悪く言う、非難する。
  • 好(このむ):好む、称賛する、評価する。
  • 察す(さっす):詳細に調べる、よく見極める、判断するために吟味すること。

5. 全体の現代語訳(まとめ)

孔子はこう言った:

「人々が誰かを非難しているとき、その理由をよく見極めるべきである。
同じく、人々が誰かを称賛しているときにも、その理由をしっかり確認すべきである」。


6. 解釈と現代的意義

この章句は、「世間の評判をうのみにせず、自らの目で真実を見極めよ」という警句です。

  • 「大勢がそう言っているから」と信じ込むのではなく、評価の背景・根拠・偏りを客観的に観察する姿勢が必要
  • 孔子は、真に賢い者は“評価されているかどうか”より、“なぜ評価されているか”を問うと説いています。
  • この態度は、他者への評価だけでなく、自分への称賛や非難に対する謙虚な構えにもつながります。

7. ビジネスにおける解釈と適用

◆ 「評判の良い人も悪い人も“なぜそう思われるか”を見よ」

人気のある社員が本当に実力を持っているか?
悪く言われている社員が誤解されていないか?
“空気”で人を判断するのではなく、事実と行動で評価すべき

◆ 「SNS・メディア・社内噂に踊らされない」

ネット上の評価や社内の評判も、背景や偏見がある可能性を常に意識する姿勢が冷静な判断につながる。

◆ 「集団心理は善にも悪にも傾きやすい」

「みんながそう言ってるから」ではなく、独立した視点・思考力で評価する習慣が、リーダーシップやマネジメントにおいて極めて重要。

◆ 「信頼は“一時の人気”ではなく“本質の理解”から」

瞬間的に称賛される人よりも、地道に価値を提供し続ける人材を見逃さない“観察眼”が組織の底力を生む


8. ビジネス用心得タイトル

「評判を信じるな、理由を観よ──“察する力”が人を見抜く」


この章句は、現代のSNS時代や情報過多の社会においてますます重要になる、**「評価に流されずに真実を見抜く力」**を教えてくれます。

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