――リーダーが礼をもって接すれば、組織は一つにまとまる
孔子は「組織をまとめ、円滑に物事を進める秘訣」について、簡潔にこう語りました。
「上(かみ)、礼(れい)を好(この)めば、則(すなわ)ち民(たみ)、使(つか)い易(やす)きなり。」
つまり――
「上に立つ者が“礼”を大切にして人に接すれば、
自然と部下や民もそれに応じて協力的になり、統率はとりやすくなる。」
本質:
ここで言う**「礼」**とは、単なる儀礼や形式ではありません。
相手への敬意・節度・思いやり・信頼関係のあり方そのものを意味します。
孔子は、リーダーが「力」や「命令」で支配しようとするのではなく、
礼によって心と組織を整えることこそ、真に人を導く道であると考えました。
原文とふりがな付き引用:
「子(し)曰(いわ)く、
上(かみ)、礼(れい)を好(この)めば、
則(すなわ)ち民(たみ)、使(つか)い易(やす)きなり。」
注釈:
- 上(かみ) … 統治者、リーダー、管理職など上に立つ立場の者。
- 礼(れい) … 儀礼にとどまらず、人間関係における調和と敬意を保つ行動。
- 民(たみ) … 国民、部下、庶民、従う側の者。
- 使い易きなり … 反発することなく協力的になり、物事が円滑に進むという意。
教訓:
この章句は、「上に立つ者の態度が、全体の空気と成果を左右する」ことを教えてくれます。
- リーダーが礼をもって接すれば、組織に信頼が生まれる。
- 「言うことを聞かせる」のではなく、「一緒に動きたくなる」空気をつくるのが礼の力。
- 礼のある態度は、命令より強く、賞罰よりも深く、人の心を動かします。
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