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贅沢も倹約も、過ぎれば徳を損なう

孔子は、贅沢すぎることも、倹約しすぎることも、ともに人格を損なうと語った。
贅沢が過ぎれば人は不遜(ふそん)=うぬぼれやごう慢になり、周囲に高圧的な印象を与える
一方、倹約が過ぎると、固(こ)=頑なでけちくさく、他人が寄り付きにくい人間になる。
どちらも極端でよくないが、孔子はこう結んだ――
「どちらかを選ばねばならないなら、まだ“がんこ”である方がマシだ」と
これは、誇り高く人を見下すような贅沢よりも、自分を律する倹約の方がまだ徳に近いという意味である。


原文・ふりがな付き引用

子(し)曰(い)わく、奢(しゃ)なれば則(すなわ)ち不孫(ふそん)、倹(けん)なれば則ち固(こ)し。
其(そ)の不孫(ふそん)より寧(むし)ろ固(こ)かれ。


注釈

  • 奢(しゃ) … 贅沢・浪費の意。ここでは生活ぶりや態度が過剰であること。
  • 不孫(ふそん) … 慢心し、人を見下すような傲慢さ。礼を欠くこと。
  • 倹(けん) … 無駄を省く慎ましい生活態度。
  • 固(こ) … 頑固で人情味に欠けるような、付き合いにくさ。
  • 寧ろ固かれ … それでもまだ、倹約によるがんこの方が、贅沢による傲慢さよりはマシだという価値判断。
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