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心から人を思うなら、行動にも慎みが宿る

孔子は、悲しみにある人への思いやりを、ことさら言葉で語るのではなく、行動で示した。
喪中の人の隣で食事をする時には、決して満腹になるまで食べず、
その日、葬儀や法事で涙したなら、どんなに日常であっても歌を口ずさむことはなかった。
それは、場の空気を読むという表面的な配慮ではなく、悲しむ人の気持ちに深く寄り添う姿勢そのもの。
人の痛みに共感するとは、こうして日常のふるまいの中にあらわれるものである。


原文・ふりがな付き引用

子(し)は喪(も)有(あ)る者の側(かたわ)らに食(しょく)するには、未(いま)だ嘗(かつ)て飽(あ)かざるなり。子(し)、是(こ)の日(ひ)に於(お)いて哭(こく)すれば、則(すなわ)ち歌(うた)わず。


注釈

  • 喪有る者の側に食する … 喪中の人とともに食事をする場面。
  • 未嘗飽かざる … 一度も満腹になるまで食べたことはない、つまり控えめに食したという意味。
  • 哭す … 大声で泣くこと。葬儀などで感情を表に出す弔いの儀礼。
  • 歌わず … 日常の楽しみである歌を慎むことで、心の哀しみへの共感を示す。
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