孔子は、学びたいという意思を持って門を叩いた者には、必ず教えると語った。
それは、知識や徳が「求める者に開かれているべきだ」という、開かれた学びの精神を示している。
どんなに小さなきっかけであっても、学びの扉を自ら開いた人には、惜しみなく教える――
その姿勢にこそ、教育者としての孔子の真価がある。
原文・ふりがな付き引用
子(し)曰(い)わく、束脩(そくしゅう)を行(おこな)うより以上(いじょう)は、吾(われ)未(いま)だ嘗(かつ)て誨(おし)うる無(な)くんばあらんず。
注釈
- 束脩(そくしゅう) … 干し肉を十本束ねたもの。学ぶ意思を示すための贈り物であり、入門の儀礼の象徴。
- 行うより以上 … 形式にとらわれずとも、学びたいという誠意が伝わればそれでよいという意味も含む。
- 誨うる無くんばあらんず … 教えなかったことはない、つまり必ず教えたという強い意思の表現。
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