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喜びも悲しみも、節度があってこそ美しい

孔子がもっとも重んじた詩の一つ、『詩経』の冒頭にある「関雎(かんしょ)」は、夫婦の和を歌った詩である。
この詩には、楽しむときも節度を持ち、悲しむときも心を失わない――中庸の心が美しく描かれている。
孔子はそれを称賛し、「淫せず、傷(やぶ)らず」と表現した。
節度を失わない喜怒哀楽こそ、人の感情のもっとも品格あるかたちなのだ。

「関雎(かんしょ)は楽しんで淫(いん)せず、哀(かな)しんで傷(やぶ)らず」

極端に流されず、心を崩さず、喜びにも悲しみにも静かな品位を持つ――それが中庸の美徳である。


※注:

  • 「関雎(かんしょ)」…『詩経』国風・周南の最初の詩。雎鳩(しょきゅう/水鳥)の鳴き声に夫婦の和を重ねたものとされる。
  • 「淫」…度を越す、乱れる。
  • 「傷」…身も心も損なうほどに悲しみに沈むこと。
  • 「中庸」…過不足のない、かたよりのない生き方・考え方。
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