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君子の競いは、礼に始まり礼に終わる

人格を磨いた者(君子)は、無用な争いを避け、勝ち負けにこだわらない。
もし競うとしても、それは弓の競技のように礼儀を重んじた場に限られる。
競技の前後には揖(ゆう:お辞儀)を交わし、譲り合いながら台に昇り、終われば勝敗にかかわらず、互いを讃えつつ盃を交わす。
争ってもなお礼があり、敬意をもって結ばれる――これが君子の「争い方」である。

「君子(くんし)は争(あらそ)う所無し。必(かなら)ずや射(しゃ)か。揖譲(ゆうじょう)して升(のぼ)り、下(くだ)りて飲(の)む。其(そ)の争い、君子なり」

争うことが目的ではなく、礼をもって競い、敬をもって終える。そうした姿にこそ、本当の強さと品格が宿る。


※注:

  • 「君子」…徳と礼を備えた理想的人格者。
  • 「射」…古代中国の礼儀的な弓の競技。武技であると同時に教養の一つ。
  • 「揖譲」…お辞儀して譲り合うこと。礼儀正しい所作。
  • 「升下」…競技場に上がり、下がること。
  • 「飲む」…勝敗に関係なく盃を交わす儀式。勝者が敗者に罰杯を与え、互いに礼をもって応じる。
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