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礼に現れる人の本質は、時代を超えて通じる

未来を予測するには、過去を深く知ることが必要である。
礼(法律・制度・規範)の変遷を見れば、それぞれの時代の王朝が、先代の形を受け継ぎ、多少の調整をしながらも本質は変わっていないことがわかる。
殷は夏の礼を、周は殷の礼を継承しており、人の営みの根本には連続性がある。
ゆえに、たとえ十世、百世先の未来であっても、その姿はおおよそ見通すことができる――それが歴史の力である。

「殷(いん)は夏(か)の礼(れい)に因(よ)る、損益(そんえき)する所(ところ)知(し)るべきなり。周(しゅう)は殷の礼に因る、損益する所知るべきなり。其(そ)れ周を継(つ)ぐ者(もの)あらんに、百世(ひゃくせい)と雖(いえど)も知るべきなり」

過去を温ねて今を知り、未来を測る。歴史とは、時間を超えて人の本質を映し出す鏡である。


※注:

  • 「子張」…孔子の弟子。現実的で政治への関心が強かった。
  • 「礼」…広義では制度・規範・倫理・秩序。狭義には礼儀作法。
  • 「因る」…受け継ぐ、準拠する。
  • 「損益」…削ったり加えたりすること=制度の調整。
  • 「百世」…百代、すなわち非常に遠い未来。
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