人の真価を見極めるには、ただ表面的に接するだけでは足りない。
まずは、その人が実際に「何をしているか」をよく視ること。
次に、「なぜそれを行ったのか」という動機や背景を観察すること。
最後に、その行為の「結果をどう受け止めているか」を察すること。
この三つ――視・観・察をもってすれば、人の本性や能力は隠しようがない。どれだけ取り繕っても、心の在りようは必ず行動にあらわれる。
「其(そ)の以(もっ)てする所(ところ)を視(み)、其の由(よ)る所を観(み)、其の安(やす)んずる所を察(さっ)すれば、人(ひと)焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや。人焉んぞ廋さんや」
人を見るとは、行動の前後に目を向け、その奥にある意志や信条を見抜くことである。
※注:
- 「視」…実際の行動を観察すること。
- 「観」…行為の動機や背景を広く見渡すこと。
- 「察」…その人が何に安らぎを感じるか、何を良しとしているかを心中から推し量ること。
- 「廋(かく)す」…隠す、覆い隠す。
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