親にとって何よりも気がかりなのは、子の健康である。
立派なことを成すよりも、贈り物をするよりも、まずは元気で生きていてくれること――それが何よりの安心であり、親孝行となる。
心を尽くしても、身体を粗末にしては本末転倒である。親に憂いを与えぬことこそ、最も根本的な孝の姿である。
「父母(ふぼ)は唯(ただ)其(そ)の疾(やまい)を之(これ)憂(うれ)う」
親が本当に願っているのは、子が健やかであること。それは普遍の真理である。
※注:
- 「孟武伯」…魯の権門・孟孫氏の後継者で孟懿子の子。
- 「疾」…病気、身体の不調。
- 「憂う」…心配する、気に病むこと。
- 「孝」…親を敬い、安心させる生き方。
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