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刑ではなく、徳で導く ― 恥を知ってこそ、秩序が生まれる

人々を統治する際に、法律や刑罰のみを用いるならば、民はただ罰を逃れることだけを考え、自らを恥じる心を失っていく。
しかし、徳をもって導き、礼をもって正す社会であれば、人々の内には自然と廉恥心が育まれ、自発的に正しい道を歩むようになる。
法よりも先に徳、罰よりも先に礼――社会に秩序をもたらすには、まず人の心に働きかけなければならない。

「之(これ)を道(みちび)くに政(まつりごと)を以(もっ)てし、之を斉(ととの)うるに刑(けい)を以てすれば、民(たみ)免(まぬが)れて恥(は)じる無し。之を道くに徳(とく)を以てし、之を斉うるに礼(れい)を以てすれば、恥(は)じ有(あ)りて且(か)つ格(ただ)し」

表面的な秩序ではなく、内面から育まれる道徳こそが、人を動かし、国を正しく導いていく。


※注:

  • 「政」…政治・政策。ここでは法による統治を指す。
  • 「刑」…刑罰。
  • 「徳」…人としての道義、倫理、人格の力。
  • 「礼」…社会の節度、儀礼、礼儀作法。
  • 「廉恥心」…自らの行いを恥じる心。他人の目ではなく、自分の良心に基づく羞恥。
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