組織を導く者に最も求められるのは、徳の力である。
人を無理に動かそうとせずとも、自らの人格に厚みがあれば、周囲は自然と従い、秩序が保たれていく。
それはまるで、動かぬ北極星のまわりをすべての星々が巡るように、徳あるリーダーがいることで、全体の動きが調和していくということに他ならない。
「政(まつりごと)を為(な)すに徳(とく)を以(もっ)てすれば、譬(たと)えば北辰(ほくしん)の其(そ)の所(ところ)に居(お)りて、衆星(しゅうせい)の之(これ)に共(むか)うが如(ごと)し」
徳は指示や命令よりも強い力を持つ。上に立つ者の在り方が、すべての流れを決める。
※注:
- 「政(まつりごと)」…政治、または広く組織運営・統治全般。
- 「徳(とく)」…人格の厚み、人望、道義的な力。
- 「北辰(ほくしん)」…北極星。常に位置が変わらず、他の星の指針となる象徴的存在。
- 「共(むか)う」…従う、帰属する。
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