孝とは、親に尽くすことを意味するが、それは決して形ばかりの行為や、力に任せた無理な尽力を指すものではない。
その大本にあるものは、自然体で思いを寄せる心にほかならず、過度な義務感でも、外面を繕うでもなく、素直なる情の発露にある。
強いて背伸びをせず、無理に善を為そうとせずとも、日々の中に親を思い、言葉や所作に真心を込めてゆけば、それこそが孝となる。
孝行とは特別な行為ではなく、呼吸するように自然ににじみ出るものであり、親子の間に流れる信と愛のあらわれである。
真の孝は、形式にあらず、自然な誠に宿る。心を澄まし、無理なく、穏やかに尽くすべし。
○孝の大本は何事にも強いて無理をせず、自然のままに任せたる所にある。
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