青年は、人格を形づくる最も大切な時期にある。
この時期にこそ、優れた師と出会い、己の品性を陶冶し、心を磨かねばならぬ。
学問とは、単に知識を得るための手段ではなく、むしろ己を正しく導き、世の中に資する人物となるための器をつくるものである。
古の学問は、心の学問を専一とし、その書籍のすべてが精神修養の道を説いていた。
読むことすなわち行うことに通じ、書を開けば自然と徳を積むことに導かれていたのである。
「修身斉家治国平天下」の道は、人道の大義を土台とし、小を正して大を治める理の学びであった。
今、知識の獲得にのみ偏重する風潮にあってこそ、改めて心の学問に立ち返り、青年がその魂を鍛えることが肝要である。
真の学びとは、心を育て、世を照らす力となる。
○青年は良師に接して、自己の品性を陶冶しなければならない。昔の学問と今の学問とを比較してみると、昔は心の学問を専一にしたが、現今は智識を得ることにのみ力を注いでいる。昔は読む書籍その者が、悉く精神修養を説いているから、自然とこれを実践するようになったのである。修身斉家と言い、治国平天下と言い、人道の大義を教えたものである。
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