人は誰しも、生涯にわたり学び続けねばならぬ。
書を読むだけが勉強ではない。
世の事物に目を凝らし、心を留めること。
これもまた、学問と同じく大切な務めである。
知識は書物に在り、経験は世に在る。
書は読めば語るが、世は問わずして語らぬ。
されど、日々の出来事に注意を払う者には、
事物のすべてが書となり、師ともなる。
道に咲く草花の移ろい、
人々の言葉ににじむ感情、
時勢の変化に潜む兆し。
それらは、見過ごせばただの雑音にすぎぬが、
心を澄ませて見れば、貴き教えの種である。
ゆえに、学びを求める者は、
ただ机上に満足してはならぬ。
日常に潜む小さな変化に目を向け、
なぜそうなったのかを考える癖をつけよ。
不断の勉強とは、知識を積むことのみならず、
注意を深め、思考を習慣づけ、
己の感性を磨き続けることに他ならぬ。
世を動かす人は、広く知るだけでなく、
深く観る目を持っている。
その目は、日々の不断の注意から育つ。
○予はすべての人に、不断の勉強を望むと同時に、事物に対する平生の注意を怠らぬように心掛くることを説きたい
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