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老いて学び、老いてなお時代と歩め

人は若ければ尊いのではない。
また、年を重ねただけで尊敬に値するのでもない。
真に価値ある老年とは、学びを手放さぬ精神を備えた者のことを言う。

身体は老いる。
手足の力は衰え、目や耳の働きも鈍くなる。
それは誰しもが逃れられぬ自然の摂理である。

だが、精神は衰えぬように保つことができる。
常に学を進め、世の流れに耳を澄ませ、
若き人々と語らい、時代と歩む心を持てば、
老いてなお人を導き、学ぶ者として立ち続けることができる。

これを、文明の老人という。

老いとは、静かに衰えるものではない。
老いとは、深まりであり、磨きであり、伝えである。

学びをやめた時、人は真に老いる。
心を閉ざした時、時代から取り残される。
だが、読書をし、思索をし、人と交わり、
柔らかに変化を受け容れる者には、老いは新たな季節のように訪れる。

青年の力が国を動かすならば、
老年の叡智はその進路を正す。

老いたる者こそ、明日を照らす松明となるべし。
己を文明の一枝として、
老いてなお時代とともに生きる者であれ。

○青年も大事であるけれども、老年もまた大切であると思う。……自分は文明の老人たることを希望する。……文明の老人たるには、身体は縦い衰弱するとしても、精神が衰弱せぬようにしたい。……常に学問を進めて時代に後れぬ人であったならば、私はいつまでも精神に老衰ということはなかろうと思う。

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