その座に座り、意(思考器官)を専ら集中し、心と感官の活動を制御し、自己の清浄のためにヨーガを修めるべきである。(第 6章 12節)
体と頭と首を一直線に不動に保ち、堅固(に坐し)、自らの鼻の先を凝視し、諸方を見ることなく、(第 6章 13節)
自己(心)を静め、恐怖を離れ、梵行(禁欲)の誓いを守り、意を制御して、私に心を向け、私に専念し、専心して坐すべきである。(第 6章 14節)
① 静かな場所を選ぶ
『ギーター』では、「人里離れた静かな場所に座すべし」(第6章11節)と説かれています。
自分の内面と向き合うため、できる限り外部の刺激が少ない、落ち着いた環境を選びましょう。
② 姿勢を正す
- 背筋を伸ばす、頭と首をまっすぐに保つ(第6章13節)
- あぐらでも椅子でもOK。背骨をスッと引き上げ、リラックスしたまま動かない姿勢を作ります。
- 目は半眼(薄目)か閉じて、鼻先や眉間に意識を置くようにします。
③ 呼吸を整える
- まずは自然な呼吸に意識を向ける。
- ゆっくりと吸い、ゆっくりと吐くリズムを数回繰り返します。
- 呼吸をコントロールするのではなく、観察者として見つめるように。
④ 心を一点に集中する
- 『ギーター』は「心と感官を制御し、意を集中すべし」(第6章12節)と説きます。
- 集中の対象は、以下のようなものが使えます:
- 呼吸の出入り
- 神聖なマントラ(例:「オーム」)
- 光の一点(心の中で)
- 「イーシュヴァラ(宇宙の摂理)」という観念
⑤ 湧き上がる思考をただ見送る
- 雑念が湧くのは自然なこと。
- 「思考を止めよう」とせず、出てきた思考を評価せずにただ観察し、流す。
- そのたびに「戻るべき対象」に意識を優しく戻します(呼吸・マントラ・イーシュヴァラなど)。
⑥ 時間は短くてよい:5〜10分から始める
- 長くやることより、「毎日続けること(アッビャーサ)」が重要。
- 決まった時間に(朝や夜)ルーティンとして習慣化させることが、心の安定を育てます。
目次
【補足:瞑想で目指すもの】
瞑想は「無になること」ではありません。
「心が外へ振り回されず、内に静まっていく状態」を目指します。
やがて、「私が私であるだけで十分だ」という静かな満足感が立ち上がってくるようになります。
それが、『ギーター』で説かれる内的な自由(モークシャ)への土台です。
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