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悩むと「自分」を集めるようになる

人は悩みに陥ると、本能的に「自分」をかき集める。
自分の感情、自分の過去、自分の状況、自分の未来――あらゆるものを自分の枠で囲い込み、そこに答えを求めようとする。

不安、後悔、怒り、悲しみ、困惑。
それらはすべて、自分が傷ついたという感覚から生まれる。
そして、「なぜ自分ばかりが」と嘆き、「どうすれば抜け出せるか」と考えるとき、人はますます「自分」の内側に閉じこもっていく。

しかし、集めた「自分」は、しばしば苦しみを深める材料となる。
知識も、経験も、判断も、「自分」の枠の中だけで働けば、現実を捻じ曲げ、視野を狭める。
「自分を何とかしよう」という思いが強くなるほど、かえって解決から遠のくことがある。

悩みのときほど、視線を外に向けることが要である。
「自分がどう思うか」ではなく、「世界がどうあるか」を見つめること。
内に沈むほど、沈黙する外の声を聞き逃す。

苦しみの本質は、自己の境界に囚われることにある。
そこから一歩引き、他者や環境との関係性の中で自分を見直すとき、心は少しずつほどけていく。

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