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節と礼をもって、平等に生きる

人は皆、平等でなければならぬ。
されど、その平等は、放縦でも無秩序でもあってはならない。
節度をわきまえ、礼をもって相手を敬う。その上に成り立つ平等こそ、真の平等である。

一方が他を支配し、またはへつらうような関係に、持続する調和は生まれない。
人は人に徳を求めるが、自らもまた他者の徳となるべきである。
私を支えてくれる人々を、私もまた支えている。

この世は、持ちつ持たれつの理にて成り立っている。
互いの存在を認め、敬意を払い、対等の心で接する者は、広く信を得る。
共に在るということの重みを忘れずに生きるべし。

人は平等でなければならぬ。節制あり礼譲ある平等でなければならぬ。私を徳とする人もあろうが、私も人を徳としている。畢竟世の中は相持ちと決めておる 渋沢 栄一. 論語と算盤 (角川ソフィア文庫) (p. 20). (Function). Kindle Edition. 

人を得る者は、事を為す。
人を活かす者は、永く治める。

徳川家康ほど、適材適所の妙を極めた人物は他にいない。
彼は巧みに人を配し、強き者を立て、能ある者に働かせ、
みずからは静かに、その流れを見極めていた。

人を知ること。
人を活かすこと。
それは、権勢を誇るためではない。
自らが為すべきことに集中するためである。

だが、才ある者を用いる者は、常に忘れてはならぬ。
**「自らの一日の長が、他人の一生を超えるわけではない」**ということを。

人が我を敬うのは、我が先んじて歩んだゆえにすぎない。
であれば、我はその敬意に値するよう、己を慎まねばならぬ。
驕りは、人と人とのあいだを裂く。
卑下は、誠実な働きをくもらせる。

人は平等でなければならぬ。
だが、それは無秩序の平等ではない。
節度と礼譲のもとに立つ平等である。

私を徳と仰ぐ者がいれば、私もまたその人を徳とする。
世の中は、相持ちで成り立っている。
互いが互いのために働き、支え合ってこそ、
驕りも侮りもなく、歩み寄りが生まれる。

人を見て、人を活かし、そして人を敬う。
そのような統治と運営こそが、
静かにして強き力を生む。

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