MENU

企業残高基準法と銀行残高基準法

銀行勘定調整表の作成方法には、両者区分調整法を基本として、以下の2つのアプローチがあります。


1. 企業残高基準法

概要

  • 基準: 企業の帳簿残高(当座預金残高)を基準に調整を行う。
  • 目的: 企業の帳簿残高に調整を加え、最終的に銀行の残高証明書残高と一致させる。

調整ルール

  • 銀行側の加算項目(両者区分調整法の銀行側で加算される項目)を減算項目とする。
  • 銀行側の減算項目(両者区分調整法の銀行側で減算される項目)を加算項目とする。

特徴

  • 調整後、企業の帳簿残高が銀行残高証明書の残高に一致する。

2. 銀行残高基準法

概要

  • 基準: 銀行の残高証明書残高を基準に調整を行う。
  • 目的: 銀行の残高証明書残高に調整を加え、最終的に企業の帳簿残高と一致させる。

調整ルール

  • 企業側の加算項目(両者区分調整法の企業側で加算される項目)を減算項目とする。
  • 企業側の減算項目(両者区分調整法の企業側で減算される項目)を加算項目とする。

特徴

  • 調整後、銀行の残高証明書の残高が企業の帳簿残高に一致する。

3. 両者区分調整法との関係

調整項目両者区分調整法企業残高基準法銀行残高基準法
銀行側の加算項目(未取付小切手など)銀行: 加算項目減算項目
銀行側の減算項目(未取立手形など)銀行: 減算項目加算項目
企業側の加算項目(銀行の未記帳項目)企業: 加算項目減算項目
企業側の減算項目(銀行の未記帳項目)企業: 減算項目加算項目

4. 実例で確認

  • 企業の帳簿残高: 100,000円
  • 銀行残高証明書の残高: 110,000円
  • 未取付小切手(銀行側の加算項目): 5,000円
  • 未取立手形(銀行側の減算項目): 15,000円

(1) 企業残高基準法での調整

企業帳簿残高: 100,000円
- 未取付小切手: (5,000円)(銀行の加算項目を減算)
+ 未取立手形: +15,000円(銀行の減算項目を加算)
調整後の残高: 110,000円(銀行残高証明書と一致)

(2) 銀行残高基準法での調整

銀行残高証明書の残高: 110,000円
+ 未取付小切手: +5,000円(企業の加算項目を減算)
- 未取立手形: (15,000円)(企業の減算項目を加算)
調整後の残高: 100,000円(企業帳簿残高と一致)

5. 選択基準

  • 企業残高基準法:
  • 基準を企業の帳簿に置くため、企業側が主導的に管理する場合に適する。
  • 銀行残高基準法:
  • 銀行残高を基準にするため、外部の信頼できる情報を基に調整を行う場合に適する。

6. まとめ

企業残高基準法と銀行残高基準法は、いずれも不一致原因を調整して、最終的に両者の残高を一致させる方法ですが、基準が異なるだけで、計算結果に違いはありません。どちらの方法を選択するかは、企業の管理方針や使用する帳簿の重要性に依存します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次