連結精算表は、個別財務諸表の金額をもとに、連結修正仕訳を加減して連結財務諸表を作成する過程を整理した表です。連結精算表を用いることで、連結損益計算書、連結貸借対照表、連結株主資本等変動計算書を効率的かつ正確に作成できます。
連結精算表の構成
- 個別財務諸表欄
- 親会社(P社)と子会社(S社)の個別財務諸表の金額を記入します。
- 貸方項目には金額をカッコ付きで記載。
- 消去・振替欄
- 連結修正仕訳を記入します。
- 内部取引の相殺消去、未実現利益の消去、のれん償却などを反映。
- 連結財務諸表欄
- 個別財務諸表欄と消去・振替欄の金額を加減した結果を記入。
- 連結財務諸表(P/L、B/S、S/S)の金額となります。
- 貸方項目には金額をカッコ付きで記載。
作成の流れ
1. 個別財務諸表欄の記入
- 親会社と子会社の財務諸表(損益計算書・貸借対照表)の金額を転記します。
2. 消去・振替欄の記入
- 以下のような修正仕訳を記入します。
- 内部取引高の相殺消去
- 債権債務の相殺消去
- 未実現利益の消去
- のれんの償却
- 子会社の当期純損益の配分
- 非支配株主持分の調整
3. 連結財務諸表欄の計算
- 個別財務諸表欄の金額に、消去・振替欄の金額を加減して記入します。
連結精算表の例
ケース: 内部取引の相殺
- 親会社(P社)の売上高:1,000円
- 子会社(S社)の売上高:800円
- 親会社が子会社に商品200円を販売した(未実現利益なし)。
精算表の記入例
項目 | 個別財務諸表欄(P社) | 個別財務諸表欄(S社) | 消去・振替欄 | 連結財務諸表欄 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 1,000 | 800 | (200) | 1,600 |
売上原価 | 600 | 400 | – | 1,000 |
当期純利益 | 200 | 100 | – | 300 |
注意点
- 貸方項目はカッコ付き
- 売上高や負債などの貸方項目は必ずカッコ付きで記載。
- 消去・振替欄の調整
- 内部取引や未実現利益の消去など、連結修正仕訳を正確に記入。
- 加減算の整合性
- 各項目の個別財務諸表欄と消去・振替欄を正確に加減して連結財務諸表欄を計算。
連結精算表を用いるメリット
- 可視化: 連結財務諸表作成の流れを一目で確認できる。
- 整合性の確認: 各項目が正しく修正されているかをチェックしやすい。
- 効率化: 各修正仕訳が表内に整理されるため、計算が迅速化。
まとめ
連結精算表は、親会社と子会社の個別財務諸表を統合し、必要な連結修正を加えた連結財務諸表を作成する際の重要なツールです。各欄の役割を理解し、正確な修正を行うことで、企業グループ全体の財務状況や経営成績を適切に表す連結財務諸表を作成できます。
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