【基本ルール】
- 外貨建ての資産・負債(貨幣項目)は決算時の為替相場(カレント・レート (CR))で換算します。
- 換算により生じた差額は、為替差損益として処理します:
- 円安 → 為替差益(収益)
- 円高 → 為替差損(費用)
目次
【例】資料に基づく処理
資料
- 売掛金:期中のドル建て売掛金 30ドル
- 発生時の為替相場(HR):1ドル = 110円
- 決算時の為替相場(CR):1ドル = 105円
- 発生時評価額:30ドル × 110円 = 3,300円
- 決算時評価額:30ドル × 105円 = 3,150円 → 評価額が減少 → 差額:3,300円 – 3,150円 = 150円の為替差損
- 買掛金:期中のドル建て買掛金 20ドル
- 発生時の為替相場(HR):1ドル = 100円
- 決算時の為替相場(CR):1ドル = 105円
- 発生時評価額:20ドル × 100円 = 2,000円
- 決算時評価額:20ドル × 105円 = 2,100円 → 評価額が増加 → 差額:2,100円 – 2,000円 = 100円の為替差損
【仕訳】
- 売掛金の評価替え(為替差損)
借方:為替差損益 150円
貸方:売掛金 150円
- 買掛金の評価替え(為替差損)
借方:買掛金 100円
貸方:為替差損益 100円
【まとめ】
決算時の換算替えルール
- 資産(売掛金など):
- 評価額が減少 → 為替差損(費用)。
- 評価額が増加 → 為替差益(収益)。
- 負債(買掛金など):
- 評価額が増加 → 為替差損(費用)。
- 評価額が減少 → 為替差益(収益)。
【最終仕訳の整理】
全体の仕訳をまとめると:
借方:為替差損益 50円 (150円 - 100円)
貸方:売掛金 150円
買掛金 100円
これにより、売掛金・買掛金の評価替えが反映され、財務諸表の正確性が向上します。
コメント