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決済時の処理

買掛金や売掛金を決済する際には、決済時の為替相場を基準に外貨建金額を日本円に換算し、以下の手順で仕訳を行います:

  1. 買掛金や売掛金の減少を計上
    取引発生時(輸入時や輸出時)の為替相場で計上された金額を基に減少処理します。
  2. 決済額を計上
    決済時の為替相場に基づいて、現金や当座預金の増減を記録します。
  3. 貸借差額を調整
    決済時の為替相場と取引発生時の為替相場が異なる場合、差額を「為替差損益(費用または収益)」として計上します。

目次

【例1】買掛金の決済

取引内容

  • X1年4月20日、アメリカのA社から商品100ドルを輸入(例1で計上済み)。
  • 為替相場:1ドル = 110円 → 買掛金:11,000円。
  • X1年5月31日、A社に代金100ドルを支払う。
  • 決済時為替相場:1ドル = 112円 → 支払額:11,200円。

仕訳

借方:買掛金     11,000円  
   為替差損益    200円 (112円 - 110円) × 100ドル  
貸方:現金      11,200円

【例2】売掛金の決済

取引内容

  • X1年4月20日、アメリカのC社に商品200ドルを輸出(例1で計上済み)。
  • 為替相場:1ドル = 110円 → 売掛金:22,000円。
  • X1年5月31日、C社から代金200ドルを受け取る。
  • 決済時為替相場:1ドル = 108円 → 受取額:21,600円。

仕訳

借方:現金      21,600円  
   為替差損益    400円 (108円 - 110円) × 200ドル  
貸方:売掛金     22,000円

【例3】決済時の為替差益

取引内容

  • X1年4月20日、日本企業がヨーロッパのB社に商品300ユーロを輸出。
  • 為替相場:1ユーロ = 120円 → 売掛金:36,000円。
  • X1年5月31日、B社から代金300ユーロを受け取る。
  • 決済時為替相場:1ユーロ = 125円 → 受取額:37,500円。

仕訳

借方:現金      37,500円  
貸方:売掛金     36,000円  
   為替差損益   1,500円 (125円 - 120円) × 300ユーロ

仕訳のポイント

タイミング処理内容
決済前の換算買掛金や売掛金は取引発生時の為替相場で計上。
決済時の換算決済時の為替相場で換算し、現金や当座預金の増減を記録。
為替差額の調整為替相場の変動による差額を「為替差損益(収益または費用)」として調整。

勘定科目:為替差損益

  • 収益として計上(為替差益):輸出や輸入時より決済時の為替が有利になった場合。
  • 費用として計上(為替差損):輸出や輸入時より決済時の為替が不利になった場合。

まとめ

【決済時の処理の流れ】

  1. 決済時の為替相場で現金や当座預金の増減を記録。
  2. 買掛金や売掛金を減少させる。
  3. 差額を「為替差損益」で調整。

正確な換算と差損益の処理を行うことで、財務報告が正確かつ透明性の高いものになります。

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