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圧縮記帳と減価償却に関する会計処理


1. 圧縮記帳とは

固定資産を取得する際に国庫補助金や工事負担金を受け取った場合、その金額分だけ固定資産の取得原価を減額する処理を「圧縮記帳」といいます。

圧縮記帳を行う目的は、補助金や負担金が収益として課税されるのを防ぐことです。


2. 圧縮記帳の処理フロー

(1) 国庫補助金や工事負担金を受け取ったとき

仕訳:

借方:当座預金       5,000円  
貸方:国庫補助金受贈益   5,000円  

(2) 固定資産を取得したとき

固定資産を購入した際に、圧縮記帳による減額処理を行います。

例:

  • 固定資産購入金額:15,000円
  • 国庫補助金額:5,000円
  • 圧縮記帳後の帳簿価額:15,000円 – 5,000円 = 10,000円

仕訳:

借方:建物        15,000円  
貸方:当座預金       15,000円  

借方:固定資産圧縮損    5,000円  
貸方:建物          5,000円  

圧縮記帳により、固定資産の帳簿価額は10,000円となります。


3. 圧縮記帳後の減価償却

圧縮記帳後の帳簿価額を基に減価償却を計算します。

例:

  • 購入価額:15,000円
  • 圧縮記帳額:5,000円
  • 圧縮後の帳簿価額:10,000円
  • 耐用年数:20年
  • 減価償却方法:定額法(間接法で記帳)
  • 残存価額:0円

減価償却費の計算式:

減価償却費 = 圧縮後の帳簿価額 ÷ 耐用年数  
       = 10,000円 ÷ 20年  
       = 500円

仕訳:

借方:減価償却費      500円  
貸方:建物減価償却累計額   500円  

4. 圧縮記帳の重要ポイント

  • 圧縮記帳は、補助金受領時に「収益」として計上しつつ、その後「費用」として同額を処理することで、課税所得を発生させない。
  • 圧縮記帳後の固定資産の帳簿価額を基に減価償却費を計算する。
  • 減価償却費の仕訳は通常の固定資産と同様に処理するが、圧縮記帳後の価額を使用する点が異なる。

この一連の処理を行うことで、補助金や工事負担金による固定資産取得が税務的に適切に反映されます。

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