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剰余金の配当と処分の処理

目次

1. 配当財源とは

配当のもととなる財源(配当財源)は以下の2つです:

  1. 繰越利益剰余金(純資産): 主に会社の利益から積み立てられた剰余金。
  2. その他資本剰余金(純資産): 資本取引から生じた剰余金。

2. 配当や処分が決定したときの処理

株主総会で剰余金の配当や処分が決定した場合、配当財源からそれぞれの勘定科目に振り替えます。

(1) 繰越利益剰余金を財源とする場合

例: A株式会社

  • 決定内容:
  • 株主配当金:800円
  • 利益準備金:80円

仕訳

繰越利益剰余金 880円 / 未払配当金 800円  
            / 利益準備金 80円
借方貸方
繰越利益剰余金880未払配当金800
利益準備金80

(2) その他資本剰余金を財源とする場合

例: A株式会社

  • 決定内容:
  • 株主配当金:800円
  • 資本準備金:80円

仕訳

その他資本剰余金 880円 / 未払配当金 800円  
             / 資本準備金 80円
借方貸方
その他資本剰余金880未払配当金800
利益準備金80

3. 配当金を支払ったときの処理

実際に配当金を支払った際、未払配当金(負債)を減少させます。

例: A株式会社

  • 支払い内容:
  • 株主配当金:800円
  • 支払い方法:当座預金口座から支払う。

仕訳

未払配当金 800円 / 当座預金 800円
借方貸方
未払配当金800当座預金800

4. 処理のポイント

配当金の決定と支払いのタイミング

  • 配当金は株主総会で金額が決定しますが、実際の支払いは後日行われます。
  • このため、配当決定時点では 未払配当金(負債) として計上されます。

準備金の積み立て

  • 配当金を支払う際、利益準備金 または 資本準備金 を同時に積み立てることが一般的です。

財源の違いによる仕訳

  • 繰越利益剰余金 を財源とする場合:純資産からの支出に関連します。
  • その他資本剰余金 を財源とする場合:資本取引からの配当となります。

5. まとめ

剰余金の配当と処分は、株主への利益還元と企業財務の安定性を両立させる重要なプロセスです。適切な会計処理を行うことで、株主や債権者に対する透明性が確保されます。

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