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高低点法による原価の分解

高低点法は、原価を変動費と固定費に分けるシンプルな方法で、以下の手順で計算します。


計算手順

  1. 変動費率 (製品1個あたりの変動費) 変動費率=最高点の原価−最低点の原価最高点の生産量−最低点の生産量\text{変動費率} = \frac{\text{最高点の原価} – \text{最低点の原価}}{\text{最高点の生産量} – \text{最低点の生産量}}
  2. 固定費 固定費=最高点の原価−(変動費率×最高点の生産量)\text{固定費} = \text{最高点の原価} – (\text{変動費率} \times \text{最高点の生産量}) または 固定費=最低点の原価−(変動費率×最低点の生産量)\text{固定費} = \text{最低点の原価} – (\text{変動費率} \times \text{最低点の生産量})

例題

資料:

  • 最高点:
    • 生産量: 150個
    • 原価: 20,000円
  • 最低点:
    • 生産量: 100個
    • 原価: 15,000円

計算:

  1. 変動費率 (製品1個あたりの変動費): 変動費率=20,000−15,000150−100=5,00050=100 円/個\text{変動費率} = \frac{20,000 – 15,000}{150 – 100} = \frac{5,000}{50} = 100 \, \text{円/個}
  2. 固定費:
    • 最高点を使用: 固定費=20,000−(100×150)=20,000−15,000=5,000 円\text{固定費} = 20,000 – (100 \times 150) = 20,000 – 15,000 = 5,000 \, \text{円}
    • 最低点を使用: 固定費=15,000−(100×100)=15,000−10,000=5,000 円\text{固定費} = 15,000 – (100 \times 100) = 15,000 – 10,000 = 5,000 \, \text{円}

結果:

  • 変動費率: 100円/個
  • 固定費: 5,000円

費目別精査法

特徴:

  • 費目別精査法は、過去のデータを用いて費目ごとに性質を分類する方法です。
    • 例:
      • 変動費: 直接材料費、直接労務費、電力料
      • 固定費: 減価償却費、工場の賃借料、管理者の給与
  • 費目ごとに「固定費」と「変動費」を明確に分類するので、精度が高いが手間がかかります。

比較

方法メリットデメリット
高低点法計算が簡単で素早く変動費と固定費を分解できる。異常値(例外的なデータ)が影響を与える可能性がある。
費目別精査法精度が高く、実際の費目ごとの性質を反映できる。費目の分類に専門知識と時間が必要。

両者の特性を理解し、状況に応じて使い分けることが重要です。

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