材料費の処理は、材料の購入から消費、返品や値引きに至るまで、適切な勘定科目を用いて記録します。以下に具体的な例を交えながら説明します。
目次
1. 材料を購入したとき
材料を購入する際の処理では、購入代価に付随費用(材料副費)を加えた金額(購入原価)を計上します。
計算式
仕訳例1: 材料購入
材料1,000円を仕入れ、代金は掛けとした。引取運賃100円は現金で支払った場合の仕訳:
借方: 材料 1,100円(購入原価) 貸方: 買掛金 1,000円(購入代価) 貸方: 現金 100円(引取運賃)
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
材料(購入原価) | 1,100 | 買掛金(購入代価) | 1,000 |
現金(引取運賃) | 100 |
材料副費の分類
材料副費は以下の2つに分類されます。
- 外部材料副費: 外部取引で発生する費用(引取運賃、購入手数料など)
- 内部材料副費: 社内で発生する費用(社内運搬費、保管費など)
2. 返品や値引きがあったとき
購入した材料に返品や値引きが発生した場合、当初の仕訳を取り消します。
仕訳例2: 材料の返品
先日掛けで仕入れた材料のうち、20円を品違いのため返品した場合:
借方: 買掛金 20円 貸方: 材料 20円
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
買掛金 | 20 | 材料 | 20 |
3. 材料を消費したとき
材料を消費した場合、その用途に応じて以下のように処理します:
- 直接材料費: 材料勘定から仕掛品勘定に振り替え。
- 間接材料費: 材料勘定から製造間接費勘定に振り替え。
仕訳例3: 材料の消費
材料500円を消費し、そのうち300円が直接材料費、200円が間接材料費である場合:
借方: 仕掛品 300円(直接材料費) 借方: 製造間接費 200円(間接材料費) 貸方: 材料 500円
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
仕掛品(直接材料費) | 300 | 材料 | 500 |
製造間接費(間接材料費) | 200 |
補足
適切な仕訳処理を行うことで、材料費の動きを明確に記録でき、製造原価計算や管理会計に役立てられます。
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