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決算整理⑤有形固定資産の減価償却

目次

1. 減価償却とは

有形固定資産(建物、備品、車両など)の価値が使用により減少する分を費用として計上する手続き。これを 減価償却 といい、計上される金額を 減価償却費[費用] と呼びます。

減価償却費の計算

3要素

  1. 取得原価:購入にかかった金額。
  2. 耐用年数:使用可能な年数。
  3. 残存価額:使用後に残る価値。

計算式(定額法)

減価償却費 = (取得原価 – 残存価額) ÷ 耐用年数

2. 減価償却費の計算例

(1) 期首取得の場合

  • 条件:建物取得原価10,000円、残存価額10%、耐用年数30年。
  • 計算
    • 残存価額 = 10,000円 × 10% = 1,000円
    • 減価償却可能額 = 10,000円 – 1,000円 = 9,000円
    • 年間減価償却費 = 9,000円 ÷ 30年 = 300円

(2) 期中取得の場合

  • 条件:同上。取得日:12月1日、決算日:3月31日。
  • 計算
    • 年間減価償却費 = 300円
    • 月割減価償却費 = 300円 ÷ 12 = 25円
    • 期間:4か月(12月~3月)
    • 減価償却費 = 25円 × 4か月 = 100円

3. 減価償却費の記帳方法

間接法

減価償却費[費用]を計上し、減価償却累計額[資産のマイナス勘定]で処理。

  • 仕訳例
    • 条件:建物の減価償却費300円。
    借方: 減価償却費 300 貸方: 減価償却累計額 300
借方貸方
減価償却費300減価償却累計額300

4. 月次決算と年次決算

(1) 月次決算

  • 年間見積額を12か月で割り、月次決算で計上。
  • :年間見積額300円 → 毎月300円 ÷ 12 = 25円。
  • 仕訳例借方: 減価償却費 25 貸方: 減価償却累計額 25
借方貸方
減価償却費25減価償却累計額25

(2) 年次決算

月次決算の合計額を基準に、不足または過剰部分を修正。

    • 年次見積額:300円
    • 2月末まで:25円 × 11か月 = 275円
    • 3月分不足分:300円 – 275円 = 25円
    借方: 減価償却費 25 貸方: 減価償却累計額 25
借方貸方
減価償却費25減価償却累計額25

5. ポイントまとめ

  1. 期首取得 → 年間分を計上。
  2. 期中取得 → 使用期間分を月割計算。
  3. 記帳方法 → 間接法が3級範囲。
  4. 月次決算 → 毎月見積額計上、年次で調整。
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