金銭の貸付けや借入れは通常、借用証書を用いて行われますが、借用証書に代わり約束手形を使用する場合があります。
この場合、通常の貸付金や借入金とは区別して、「手形貸付金」および「手形借入金」の勘定科目で処理します。
目次
手形貸付金
定義
企業が金銭を貸し付ける際に、相手から約束手形を受け取ることで発生する、あとでお金を返してもらえる権利。
手形貸付金の処理例
1. 金銭を貸し付け、約束手形を受け取ったとき
仕訳:
- 借方: 手形貸付金(資産の増加)
- 貸方: 現金または当座預金(資産の減少)
例:
A社がB社に現金100円を貸し付け、同額の約束手形を受け取った。
- 借方: 手形貸付金 100円
- 貸方: 現金 100円
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
手形貸付金 | 100 | 現金 | 100 |
手形借入金
定義
企業が金銭を借り入れる際に、自ら約束手形を振り出すことで発生する、あとでお金を返さなければならない義務。
手形借入金の処理例
1. 金銭を借り入れ、約束手形を振り出したとき
仕訳:
- 借方: 現金または当座預金(資産の増加)
- 貸方: 手形借入金(負債の増加)
例:
B社がA社から現金100円を借り入れ、同額の約束手形を振り出した。
- 借方: 現金 100円
- 貸方: 手形借入金 100円
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
現金 | 100 | 手形借入金 | 100 |
ポイント
- 手形貸付金と手形借入金の違い
- 手形貸付金: 企業が貸し付けた金銭に対する返済請求権(資産)。
- 手形借入金: 企業が借り入れた金銭に対する返済義務(負債)。
- 勘定科目の使い分け
- 通常の貸付けや借入れは「貸付金」「借入金」で処理。
- 手形を用いる場合は「手形貸付金」「手形借入金」で処理。
- 約束手形の役割
- 手形貸付金・手形借入金は、金銭の貸し借りに対する権利や義務を明確に記録するために用いられる。
まとめ
手形貸付金と手形借入金は、通常の貸付金・借入金と異なり、約束手形が取引に関与する場合に使用されます。正確な簿記処理を行うことで、企業間の金銭取引を適切に記録し、財務管理を強化することが可能です。
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