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未収金とは?

未収金(みしゅうきん) とは、通常の営業活動以外の取引で発生する未回収の金額を指します。
具体的には、固定資産の売却や株式・債券の売却などの非営業取引で、代金がまだ受け取られていない場合に計上される勘定科目です。


未収金の特徴

  1. 営業外の取引が対象
     通常の売上取引(商品やサービスの販売)で発生した未回収額は「売掛金」として処理されますが、未収金は営業活動以外で発生した取引が対象です。
  2. 資産として計上
     未収金は「流動資産」として貸借対照表に計上されます。
  3. 一時的な発生
     通常の営業外取引に伴うもののため、継続的ではなく一時的な性質を持ちます。
  4. 回収期限が明確
     回収日が決まっており、期日までに回収される見込みがある金額です。

未収金が発生する取引の例

  1. 固定資産の売却
     建物や車両、機械設備などの売却代金の未回収分。
  2. 株式や債券の売却
     保有していた有価証券の売却代金の未回収分。
  3. 保険金の請求
     保険契約に基づく保険金の未収分。
  4. 貸付金の利息
     貸付金に対する未収利息。
  5. 役員や従業員への貸付金
     役員や従業員に一時的に貸し付けた金額が未回収の場合。

未収金の仕訳例

1. 固定資産売却時の未収金発生

例:帳簿価額300,000円の建物を400,000円で売却し、代金は後日回収とした場合。

仕訳:

借方:未収金  400,000  
貸方:建物   300,000  
貸方:固定資産売却益 100,000

2. 株式売却時の未収金発生

例:帳簿価額500,000円の株式を600,000円で売却し、代金は翌月に回収する場合。

仕訳:

借方:未収金  600,000  
貸方:投資有価証券 500,000  
貸方:有価証券売却益 100,000

3. 未収金の回収

例:未収金400,000円を現金で回収した場合。

仕訳:

借方:現金  400,000  
貸方:未収金 400,000

4. 未収金の貸倒れ

例:未収金200,000円が回収不能となり、貸倒損失として処理する場合。

仕訳:

借方:貸倒損失 200,000  
貸方:未収金  200,000

未収金と類似科目の違い

項目未収金売掛金未収収益
対象取引営業外取引(固定資産売却など)営業取引(商品の販売など)サービス提供済み未回収分
勘定科目の分類流動資産流動資産流動資産
回収のタイミング一時的な発生継続的・定期的提供済みサービスに対する回収
建物の売却代金、保険金請求など商品やサービスの代金未回収賃貸料、利息など

未収金の管理ポイント

  1. 取引内容の明確化
     未収金の発生原因(固定資産売却、有価証券売却など)を明確に記録します。
  2. 回収期限の管理
     未収金の回収期日を把握し、期日までに確実に回収します。
  3. 貸倒リスクの把握
     回収可能性が低い場合には、貸倒損失として適切に処理します。
  4. 勘定科目の区分
     「売掛金」や「未収収益」と混同しないように正確に区分します。

未収金と貸倒引当金

未収金も貸倒リスクがある場合には、貸倒引当金を計上することがあります。

1. 貸倒引当金の設定

例:未収金500,000円に対し、貸倒引当金50,000円を設定する場合。

仕訳:

借方:貸倒引当金繰入 50,000  
貸方:貸倒引当金   50,000

2. 貸倒発生時の処理

例:未収金100,000円が貸倒となった場合、貸倒引当金を充当。

仕訳:

借方:貸倒引当金 100,000  
貸方:未収金   100,000

未収金と財務諸表

  1. 貸借対照表(B/S)
     未収金は「流動資産」として計上されます。
  2. 損益計算書(P/L)
     未収金の回収不能による損失は「貸倒損失」として計上されます。

まとめ

未収金 は、営業外取引で発生する未回収金額を管理するための重要な科目です。固定資産や有価証券の売却、保険金請求など、営業外取引に関連する未回収額を正確に記録し、回収状況を適切に管理することが求められます。

簿記や経理の実務では、未収金の仕訳処理や勘定科目の区分を理解し、貸倒リスクを考慮した適切な財務管理を行うスキルが重要です。

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