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法人税等とは?

法人税等(Corporate Taxes, Corporate Income Taxes)は、企業が一定期間に得た課税所得(税引き前利益)に基づいて課される税金の総称です。

これには、法人税法人住民税法人事業税など、国税および地方税が含まれます。

目次

法人税等の種類

法人税(国税)

  • 企業が得た所得に対して課される税金で、国に納付します。法人税率は所得額や規模によって異なります。

法人住民税(地方税)

  • 地域社会への負担として、都道府県や市町村に納付する税金。所得割と均等割から構成されます。
    • 所得割:課税所得に応じた税率で計算。
    • 均等割:所得に関係なく課される定額税(資本金や従業員数で決定)。

法人事業税(地方税)

  • 事業活動に対して課される税金で、主に所得割として計算されます。一部、付加価値割や資本割が課される場合もあります。

法人税等の計算式

法人税等は、課税所得に基づいて以下のように計算されます:

法人税等 = 法人税 + 法人住民税 + 法人事業税

例:

  • 課税所得:1,000万円
  • 法人税率:23.2%
  • 法人住民税率:10%(所得割)
  • 法人事業税率:6%


法人税 = 1,000万円 \times 23.2\% = 232万円
法人住民税 = 1,000万円 \times 10\% = 100万円
法人事業税 = 1,000万円 \times 6\% = 60万円
法人税等 = 232万円 + 100万円 + 60万円 = 392万円

法人税等の特徴

  1. 課税所得に基づく計算
  • 税引き前利益を基に調整された課税所得を元に計算されます。
  1. 国税と地方税の組み合わせ
  • 国税である法人税と、地方税である法人住民税、法人事業税が含まれます。
  1. 事業規模や地域で変動
  • 法人住民税や事業税は、企業の所在地や規模によって異なります。

法人税等の負担率(実効税率)

企業が実際に負担する税率は、法人税だけでなく、法人住民税や事業税を含めた実効税率で計算されます。

実効税率 = 法人税率 + 法人住民税率 + 法人事業税率

例:

  • 法人税率:23.2%
  • 法人住民税率:10%
  • 法人事業税率:6%

実効税率 = 23.2\% + 10\% + 6\% = 39.2\%

法人税等の納付と申告

  1. 納付期限
  • 事業年度終了後、2か月以内に法人税等を納付します。延長申請が認められる場合もあります。
  1. 中間申告
  • 事業年度が6か月を超える場合、期中に中間納税を行う必要があります。
  1. 申告内容
  • 法人税申告書には、課税所得の計算過程や各種控除項目が記載されます。

法人税等を減らす方法(節税対策)

1. 経費の適正計上

  • 必要経費を漏れなく計上し、課税所得を適正に抑える。

2. 税額控除の活用

  • 研究開発税制や設備投資減税など、各種税額控除を活用する。

3. 特別償却の利用

  • 資産購入時に通常より多くの減価償却を行い、課税所得を軽減。

4. 欠損金の繰越控除

  • 赤字がある場合、翌年以降の課税所得と相殺し、税額を軽減。

5. 適切な社会保険料負担

  • 社会保険料や福利厚生費を経費として活用。

法人税等に関連する注意点

  1. 申告ミスのリスク
  • 法人税等の計算は複雑で、ミスが生じると追加課税や延滞金の対象となる可能性があります。
  1. 過度な節税対策
  • 不適切な節税策や過剰な経費計上は税務調査で指摘される可能性があります。
  1. 中間納税の忘却
  • 期中の中間納税を怠ると、後の納税負担が大きくなり、資金繰りに影響を与えることがあります。

法人税等の成功事例

事例1:研究開発税制の活用

  • 企業Aが研究開発税制を利用し、試作品開発費用の一部を税額控除。
  • 法人税等を5%軽減することに成功。

事例2:欠損金の繰越控除

  • 企業Bが前期の赤字を繰り越し、当期の課税所得と相殺。
  • 法人税等の納付を回避。

1. 中間申告・納付時

会計期間の途中で法人税等を中間申告し、納付した際は、納付額を 仮払法人税等(資産) として処理します。

例1: 中間申告・納付時の仕訳

  • 条件:
  • 中間申告に基づき法人税1,000円を現金で納付。
  • A株式会社の会計期間は年1回(3月31日決算)。
  • 仕訳:
  仮払法人税等 1,000円 / 現金 1,000円
借方貸方
仮払法人税等1,000現金1,000

2. 法人税等が確定したとき(決算時)

決算時に法人税等が確定した場合、以下の処理を行います:

  1. 確定した税額を 法人税、住民税及び事業税(費用) で計上。
  2. 中間申告で計上した 仮払法人税等(資産) を減少させる。
  3. 差額(未納分)は 未払法人税等(負債) として計上。

例2: 法人税等が確定したとき

  • 条件:
  • 決算で当期の法人税が2,500円と確定。
  • 中間申告で1,000円を仮払法人税等として処理済み。
  • 仕訳:
  法人税、住民税及び事業税 2,500円 / 仮払法人税等 1,000円  
                         / 未払法人税等 1,500円
借方貸方
法人税、住民税及び事業税2,500仮払法人税等1,000
未払法人税等1,500

3. 未払法人税等の納付時

決算で確定した未払法人税等を納付した際は、未払法人税等(負債)を減少させます。

例3: 未払法人税等の納付

  • 条件:
  • 未払法人税等1,500円を現金で納付。
  • 仕訳:
  未払法人税等 1,500円 / 現金 1,500円
借方貸方
未払法人税等1,500現金1,500

仕訳の流れまとめ

時点仕訳例
中間申告・納付時仮払法人税等 ××円 / 現金 ××円
決算時法人税、住民税及び事業税 ××円 / 仮払法人税等 ××円
             / 未払法人税等 ××円
未払額の納付時未払法人税等 ××円 / 現金 ××円

法人税等のポイント

  1. 法人税等の納付は2段階
  • 中間申告で概算額を納付。
  • 決算時に確定額を算出し、差額を納付。
  1. 仮払法人税等と未払法人税等の使い分け
  • 仮払法人税等(資産): 中間申告で納付済みの金額。
  • 未払法人税等(負債): 確定額から仮払金額を差し引いた不足分。
  1. 法人税等の計上タイミング
  • 決算時に法人税等を費用として計上する。

これにより、会社の税務上の負債と資産が明確になり、財務諸表に正確な利益計算が反映されます。

まとめ

法人税等は、企業の収益に基づいて課される税金で、経営資金に直接的な影響を与えます。税負担を適正に管理することで、企業の財務健全性を向上させることができます。

適切な経費計上や税額控除の活用、節税対策の計画的な実施が、法人税等の負担軽減に寄与します。ただし、税務コンプライアンスを確保しつつ、長期的な成長を見据えた財務戦略を立てることが重要です。

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